ドライブが楽しくなって遠出することが増えてくると気になるのがシートの座り心地。疲れにくいさや快適性を求めてシートにひと工夫すると良いだろう。そんな時に注目なのがシートクッションだ。
近距離のドライブが中心のドライバーにはあまり気にならないが、ロングドライブを頻繁に行うドライバーにはシート座り心地はかなり重要な問題だ。クルマの快適性を大きく左右するシートはインテリアの機能パーツの中でも最重要アイテムのひとつと言っても過言では無いだろう。
事実、高級車の中には疲労軽減の機能やサポート性能を高めた高機能シートを純正で備えているモデルも多い。加えてアフタパーツの世界ではレカロやブリッドといったスポーツシートも用意される。アフターシートはフルバケットなどのスポーツ走行のための特殊な用途のシートと考えているユーザーも多いかも知れないが、これらの高品質なアフターシートの中には、実は疲労軽減や座り心地を向上させる機能を備えたモデルも数多いのだ。車内の快適性をアップさせたいと思っているユーザーなら注目だ。
しかしシートの交換となるとかなりの出費になってしまう。さらに今週末のドライブで快適性をアップさせたいという即効性を求めているユーザーも含めて、もっとハードルの低いシートの快適性アップパーツをここでは紹介してみよう。それがシートクッションだ。今使っている純正シートの上に設置するだけ(置くだけ)で、さまざまな機能をプラスアルファしてくれるのがシートクッション、腰痛防止や腰や背中のサイドサポート性のアップ、座面のクッション性の向上など、モデルによってさまざまな機能を備えているのでチェックしてみよう。
実際にカー用品店に行くとシートクッションの売り場がかなり大きいことに気づくはず。さまざまなモデルが並んでいて、それだけ需要が高いことが推測できる。かつてシートクッションと言えば座布団タイプの簡易低なモデルが主流で、せいぜい純正シートのクッション性を補う程度の製品が多かった。しかし近年は機能性を重視した高機能なシートクッションが数多く用意されている。3D形状のシート座面を持っていたり、低反発素材のクッション素材を使っているなど、かなり高機能なパーツも数多い。取り付けるだけで座り心地はもちろん、ドライイビングポジションも変化するので気に入ったアイテムを1つ用意して試してみると良いだろう。
売り場を回遊しているとシートクッションにはいくつかのカテゴリーに分かれているのがわかってくる。ひとつは先にも紹介したシートの上に置くタイプの座布団形状のシートクッションだ。お尻や尾てい骨へのストレスを緩和する柔らかい素材のクッションや低反発素材を使っている場合が多い。3D形状で尻まわりを包み込むようにしてフィット感を高める機能を持ったモデルもある。ロングドライブでお尻が痛くなった経験のあるユーザーはこれらのシートクッションをうまく利用することで快適性をアップさせる手もある。
もうひとつのシートクッションは腰回りに取り付ける形状のモデル群だ。純正シートは汎用性を求めていることもあり、座り方次第では腰や背中部分への負担が大きくなりがち。そこで腰部分に取り付けるシートクッションを用いることで腰をサポートする機能を追加するの。こうすることで走行中の腰の位置がピタリと決まり運転姿勢も自然と正しくなるため腰痛予防にも効果があるのだ。また腰をホールドすることで身体も安定するので疲労軽減にもつながる一石二鳥の効果があるシートクッションと言えるだろう。さらに首のサポートや背中部分のサポートをメインにしたモデルもある(すでにシートクッションと呼べるかは微妙だが)ので定番商品を試して具合が良ければこれらも適宜試してみても良いだろう。
シートへの座り方や体格、ドライビングの姿勢は各人でさまざま。対応するシートクッションも個人差があるのは当然。そのためどのシートクッションが最適かは一概には言えない。結論からいうと使ってみないと答えは出せないのだ。しかし、少しでも自分にフィットするかを試してみるため、売り場にサンプルがあれば実際に座ってみることをおすすめする。身体へのフィット感やサポート性能は直感が意外に信頼できるもの。良い感じ! と感じたらまずは導入してその性能を体感してみよう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。