車の「バッテリー上がり」が怖い! 知っておくべき救援術とDIY対策法 | CAR CARE PLUS

車の「バッテリー上がり」が怖い! 知っておくべき救援術とDIY対策法

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車のバッテリー上がりが怖い! 知っておくべき救援術とDIY対策法~Weeklyメンテナンス~
  • 車のバッテリー上がりが怖い! 知っておくべき救援術とDIY対策法~Weeklyメンテナンス~

ドライブ中のトラブルの中でもバッテリー上がりは常に上位を占める項目だ。出先でバッテリーが上がってしまうと救援が必要になるのが通常だが自分でできる応急処置の対策を用意しておこう。

バッテリー上がりによるロードサービスの出動回数は常に上位を占めてるのが統計データからもわかっている。つまり、いつの時代も出先でバッテリーがあがって救援を呼ぶというドライバーは多いということだ。そもそもバッテリーはエンジンスタート用のセルモーターの駆動はもちろん、ヘッドライトやワイパー、さらにはAV機器にいたるまで車内の電装機器のすべてに電気を供給している。しかも自動車は発電機をエンジンで駆動し、その電力をバッテリーに貯めて使うという自己発電~給電のメカニズムを持っている。住宅のコンセントのように電気配線が車外につながっているわけでは無いので走行中の車内に電気を供給し続けるにはこの方法になるのだ。

しかし、これがトラブルになるカギでもある。つまり自車に搭載しているバッテリーが電力供給の唯一の頼みの綱なのでバッテリーに貯めておく電力が規定値より減ってしまうとエンジン始動ができなくなってしまうのだ。バッテリーの電力低下の原因はいくつも考えられるのだが、基本的にはバッテリーの劣化や使用環境、ドライバーのうっかりミスが主な要因だろう。

バッテリーは気温が高くても低くても劣化が進みやすい。そのため夏場や冬場のバッテリートラブルが比較的多くなりがちだ。バッテリーが劣化してくると充放電の性能が低下して、いつも通りに走行してバッテリーに電気を貯めているつもりでも蓄えておく電力が少なくなってしまうケースがあるのだ。しかも近年のバッテリーは急速に寿命を迎えることも多く、前日の夜クルマを停めるまでは正常だったのに、朝起きてクルマを始動しようとキーをひねってもセルモーターさえ回らないなんてケースもあるのだ。これはバッテリーの突然死などとも呼ばれている。

さらにドライバーがうっかりミスもバッテリー上がりの原因のひとつだ。例えばヘッドライトなどの電装機器をつけたままエンジンを一定時間以上止めてしまった場合もバッテリー上がりの原因になるので要注意だ。ヘッドライトやAV関連は比較的電力消費が低いのだが、もっとも電力を必要とするのがエンジン始動時のセルモーターだ。エンジン停止後も少しずつ電気を使い続けてしまって、いざエンジンを再始動しようとするとセルモーターを回転させるだけの電力が残っていないケースが考えられる。キーをひねってもキュルキュル……、カチカチ……、と弱々しくセルがまわり、しばらくするとセルさえも回らなくなってしまうのも、そんなうっかりミスが原因の場合もあるだろう。

そんなバッテリー上がりの危機に対応するのはどうしたら良いのだろう。最初に紹介したロードサービスに連絡して救援に来てもらう方法もある。しかし、場所によっては到着まで時間が掛かるなど、その後のドライブの計画を大きく変更せざる終えなくなる。そこで、DIYでバッテリートラブルを回避する準備を整えておこう。

ひとつ目の方法は他のクルマのバッテリーの電気をいただくこと。バッテリージャンピングと呼ばれ、正常なクルマのバッテリーと自車の上がってしまったバッテリーを接続して、電気を供給してもらってエンジン始動する方法だ。そのために用意しておきたいのはブースターケーブルだ。両端に大きなガマグチクリップが付いている赤と黒の2本のケーブルであり、これを使って救援する側/救援される側のバッテリーの端子を接続することになる。カー用品店に行けばさまざまな太さのブースターケーブルが販売されているが、自分のクルマの始動に必要な電流量が流せるケーブルを用意する必要がある。目安になるのが許容電流値だ。○Aの単位で表記され、50A、80A、100Aなど数字が大きくなるほど大きな電流が流せる。大きめの電流値のケーブルを用意しておけばよりバッテリージャンプによるエンジン始動の可能性が高くなる。実際に電流値の小さなブースターケーブルでは掛からなかったエンジンが、より電流値の大きなブースターケーブルを使ったところ、すんなりエンジンが掛かることもある。

一方、近年急速にその存在が知られるようになっているのが小型のジャンプスターターだ。モバイルバッテリータイプのコンパクトなボディでありながら、クルマのエンジン始動が可能になるほどの電流を供給できるのが特徴。ただし、こちらもモデルによって流せる電流が決まっている。目安にしたいのは自車に搭載されているバッテリーのCCA(コールドクランキングアンペア)だ。一般的な乗用車の場合は100A~600A程度なので、自車に搭載されているバッテリーのCCA値を調べて、それ以上の能力を持っているジャンプスターターを用意すればエンジン始動ができる仕組み。さらに1回の始動でエンジンが掛からないことも考慮して、数回のエンジン始動が可能なスペックを持つモデルを選ぶのが無難だろう。また通常はモバイルバッテリーとしてもスマホなどの給電用に使えるモデルもあるので、万が一のレスキューグッズとしてだけでは無く普段使いできるのでコスパ的にも優れている装備と言えるだろう。

出先での不意のバッテリートラブルはせっかくのドライブを台無しにしてしまう。普段は気にしていないバッテリーの劣化だが「こんな時に限って」と思うタイミングにトラブルは起きがち。ロードサービスなどの救援を呼ぶ前に自分でトラブルを回避できるブースターケーブルやジャンプスターターを事前に用意して、万が一のトラブル対策を施した上でドライブに出かけよう。

土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。

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《土田康弘》

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