安心してください、イベントですよ……。静岡県小山町の富士スピードウェイP7駐車場で10月14日、「第14回自美研ミーティング&第2回商用車ミーティング関東」が開催され、コスプレも加わるなどしてマニアックな盛り上がりを見せた。
エントリー車のジャンルや年式、生産国などを問わない、オーナー同士の交流を目的とした「自美研ミーティング(自美研代表)」と、元商用車や払い下げ車、オリジナルで創作した再現車両などの「商用車ミーティング関東」(千城バス・八良代表)がコラボした、クルマ好きなら誰でも楽しめるイベントとなった。
自美研サイドは、千差万別のクルマ模様が展開された。北米仕様のホンダ車アキュラ『インテグラ』や、映画『ドライブ・マイ・カー』に登場したサーブ『900ターボ』、日産『レパード』がベースとなったザガート『ガビア』、女性向けアウトドア仕様のトヨタ『スターレットリミックス』といった珍しい車両や、いすゞ『アスカ』、ダイハツ『シャレード1000ウィル』、マツダ『ファミリア サルーン』など地味ながらよくぞここまで残ってくれたなと感心させられるモデルが集まった。
年代物の、いわゆる旧車の姿も。建設会社社長から譲り受けたというトヨタの3代目『クラウン』は、新車から受け継がれたシングルナンバー車。お遊びで少しタクシー風にしているが、内外装ともにほぼフルノーマルの状態を保っており、6気筒の2リッターM型エンジンは今も好調だという。
商用車サイドではさらに百花繚乱状態。目立っていたのは警察関係(に似せた)車両。日産『クルー』やトヨタ『クラウン』といったパトカーと、機動捜査用車のトヨタ『アリオン』、多目的車の日産『キャラバン』をバックに、それなりの服装を身にまとった職業系コスプレの面々が疑似現場検証(しかも警察官が被害者!)となり、見物人も何事かとざわつき、後に笑いが起こったのだった。
日野シャーシを用いたモリタの30m級はしご車『スーパージャイロラダー』も大人気。岐阜県高山市で27年間使われていたもので、出動経験なしという状態の良い車両である。電飾を付けたりしたデコトラ&マニ割サウンド仕様で、各地のイベントで引っ張りだこだという。ギャラリーははしご操作台や補強されたキャビンのルーフ上に登らせてもらうなど、思わぬ体験を喜んでいた。
また、料金メーターや空車表示灯などを集めてタクシー仕様に仕上げた7代目トヨタ『コロナ』LPG車や、ロシアのワズと初代いすゞ『エルフ』のフロントに似せて作り上げたという唯一無二のスバル『サンバー トラック』や、同じくサンバーに乗せて来たという1963年式のホンダ郵政カブ「穂貯金用」などといった、もう誰も知らないようなバイクまで参加しており、1台1台を存分に堪能できるミーティングとなった。
この日は秋晴れとなり、優美な富士山の姿も眼前に広がった。2つのミーティングがコラボしたとあって広大な駐車場もぎっしりと参加者で埋まり、迷子もでた。そのアナウンスをしながら千城バスの八良さんが自家用バスとした『富士重工の8E』が会場内をぐるりと回ると無事親御さんがお迎えに。そうした、終始穏やかでにこやかな1日であった。