ランチア『ストラトス』は“勝つための獣”と呼ばれ、ラリー界で最も成功した車の一つとして知られると同時に、ランチアの歴史の中でも最も象徴的な車である。
50年前の1973年9月25日、ストラトスは勝利の物語を書き始めた。同年、サンドロ・ムナリとマリオ・マヌッチのコンビは、トゥール・ド・フランスで勝利を収めた。これが国際格式レースでの初の勝利だった。その後ストラトスはモンテカルロラリーを3回連続で制覇し、1974年から76年までの3回の世界コンストラクターズ選手権、さらに3回の欧州ドライバーズ選手権を獲得した。
1975年のレーシングシーズンからは、スポンサーであるアリタリアの白と緑のカラーをまとう。そのカラーリングはモータースポーツ史上でも最も美しいものの一つとされている。
ストラトスは、その時代の他のモデルとは大きく異なる。ストラトスはラリーで勝つために特別に作られた車だ。そのデザインは、まず1970年の“ストラトス・ゼロ”プロトタイプとして公表され、量産型ストラトスはその翌年に公開された。
この未来的なウェッジシェイプの車は、丸い後部ヘッドライト、インテリアのカラーブロッキングなど、特徴的なデザイン要素を持つ。そしてランチアの未来の車作りに大きな影響を与え、歴史的なアイコンになった。