愛車の健康状態を追加メーターで把握することを強く推奨。もしなにかあってからでは手遅れ。むしろ追加メーターの恩恵を受けないほうがいいかもしれない。
クルマのコンディションを把握するのに欠かせないのがメーター。純正でも水温計が付いている車種も多い。スポーツ走行をするなら必須だし、そうでなくても愛車を壊さないという観点からいえば水温、油温、油圧のモニターは是非しておきたいところ。
◆見ておきたいメーター1:水温
エンジンを冷却しているクーラントの温度のこと。エンジンはクーラントと呼ばれる冷却水で冷やしている。このクーラントの温度が高くなるとエンジンにはよろしくない。
温度が上がりすぎるとエンジン全体が熱によって歪んでしまい、それによってヘッドガスケットが抜けるとかさまざまなダメージを及ぼす。いわゆるオーバーヒートしている状態になってしまう。
このオーバーヒートは冷やせばOKではない。先述のようにエンジン自体がダメージを食らってしまい、エンジンごと交換になることもあるからだ。
純正メーター内にも水温計がついていたり、高水温になると赤いランプが光って知らせてくれるが、どちらもびっくりするような温度になってから知らせてくれることが多い。
チューニングカー乗りからすると「壊れました! って事後報告かい!!」と突っ込みたくなるようなアラートの遅さである。おそらくちょっと水温が上がったくらいでアラートすると、たくさんクレームが出るとかいろいろと事情はあるようですが。
とにもかくにも水温はもっとも重要。現代のクルマなら100°Cは全く問題なく、110°Cを超えるようであれば注意。サーキット走行などで110°Cくらいになるようならクーリング走行でエンジンを冷ましてあげたい。
通常に街乗りや高速道路で110°C付近まで上がるようなら、なにか問題が起きているかもしれないのでお店に相談してもらいたい。
低ければいいものではなく、現代のクルマだと適温は90~100°Cくらい。20年以上前のクルマだとざっくりと適温が10°Cくらい低いこともある。80~100°Cくらいが適温の目安となる。
◆見ておきたいメーター2:油温
こちらはエンジンオイルの温度のこと。エンジン内部を潤滑し、冷却しているオイルの温度も大切。とくにオイルはその温度によって性能が変わる。
そもそもオイルは10W40のように粘度が表記されるが、左側の温度は冷間時の硬さを示す。右側の温度は100°Cのときの硬さを示すもの。
エンジンオイルの温度が分からなければ、この粘度もどれくらいを使えば適正なのかの判断もつかないのだ。
こちらも適温であることが大切で、90~110°Cくらいの適温であるときに各種の成分がきちんと働いてエンジン内部を潤滑したり洗浄したりしてくれる。
良かれと思ってオイルクーラーをつけて油温をセーブしても、オイル本来の性能が発揮できず、エンジンにはよくない影響を与えていることもあるのだ。
だが、温度が高すぎるのはオイル自体を劣化させてしまうので注意。120°Cを超えるようであれば早めのオイル交換と、オイルクーラーの設置を検討したい。即オイルクーラー設置ではないが、スポーツ走行などで120°C以上になったら毎回オイルを交換がオススメ。そうなると油温が高くなる車種でスポーツ走行をするとオイル交換頻度が高くなってしまうため、オイルクーラーを取り付けて適温で使えば交換頻度を減らすこともできるのだ。そういった判断も油温がわからなければどうにもならない。
◆見ておきたいメーター3:油圧
エンジンオイルを送り出している圧力が油圧だ。なぜこれが重要かといえば油圧が下がるとエンジンブローに直結するから。
エンジン内部はエンジンオイルがオイルポンプによって圧送され、各部を潤滑している。とくにクランクシャフトやカムシャフトなどは圧送されて供給されたオイルの上で浮いているフローティングメタルという支持方式が採られている。
これは油圧があるからこそオイルのなかにシャフトが浮いてられるわけで、油圧が下がるとメタルベアリングと接触して摩耗してしまう。
この摩耗が進むとメタルブローというエンジンブローにつながるのである。
なのでそれを防ぐにはとにかく油圧が下がらないようにすること。だが、ドライバーにはどうにもならないので油圧が下がっていないかモニターしておくしかない。
もし、走行中に油圧が突然低下したらどこかでオイル漏れが発生しているとか、オイルの量が減ってしまってオイルポンプが圧送できていないことが考えられる。
そんなときにすぐに停止してエンジンを止めれば、エンジン自体のダメージを防ぐことができる。それをそのまま走っていたら焼き付くまで走り続けエンジンブローを引き起こして再起不能な大ダメージを負ってしまうのである。
またスポーツ走行時は強い前後左右のGが掛かる。そのときにオイルパン内部のオイルが片寄ってしまい、オイルポンプが圧送できなくなることもある。この場合はオイル量を増やすとか、オイルパンにバッフルを装着するなどの対策が有効だ。そういった対策が必要かも油圧計なくしては判断できないもの。転ばぬ先の杖としてぜひ装着しておきたいメーターだ。