記録的な暑さでトラブル続出!今こそ知っておきたいカーエアコンのメンテナンス | CAR CARE PLUS

記録的な暑さでトラブル続出!今こそ知っておきたいカーエアコンのメンテナンス

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記録的な猛暑が続く今年の夏、移動時におけるカーエアコンの不調は、大げさではなく命に関わるような事態に発展する。そこで今回は、カーエアコンのメンテナンスとは何をすれば良いのか? エアコンガス充填の効果はどのようなものなのか? などについて、カーエアコンメンテナンスの基礎知識とその重要性をお伝えしたいと思う。

カーエアコンメンテナンスとは何か?

カーエアコンのメンテナンスには大きく分けて2つのポイントがある。「エアコンの効き」「ニオイ対策」だ。まずはエアコンの効きについて触れたい。カーエアコンはガスとオイルが高圧の状態で同時に循環しているため、小さな隙間からでも少量程度はガスとオイルが漏れ出してしまう。

エアコンオイルは、エンジンオイルなどと同じく使わなくても自己消費するのだが、エンジンオイルと違い、交換することができない。そのため、カーエアコンのメンテナンスにおいて、ガスと同様、定期的なエアコンオイルの適正量の充填は必須なのだ。ちなみにガスについては量が少なすぎるのはもちろんだが、逆に多すぎても内部の圧力が上がってしまい、冷えなくなるので充填の際には注意が必要だ。

次にチェックすべきなのがエアコンのニオイ。ニオイの原因はいくつか考えられるが、まず1つはエアコンフィルターなどが目詰まりを起こしているケースが考えられる。エアコンフィルターの役割の最も大きな部分はエアコン内部(=エバポレータ)の汚れを防ぐことにある。エアコンフィルターが無ければ、空気中の汚れでエバポレータが目詰まりし、イヤな匂いの原因となったり、カビが繁殖してアレルギーや喘息のもとになったりするのだ。

つまりエアコンフィルターがあることで、吹き出し口から出る空気が綺麗になり、車内の汚れを防ぐことで、快適な車内空間を保つことができると言えるのだ。なお最近では、エアコンフィルターも高機能化し、基本性能の集塵だけに留まらず、脱臭や抗菌・防カビ、抗ウイルスや抗アレルゲン機能を搭載したものまでさまざまなものが販売されている。

また、ニオイが気になった時、特に走行距離が長くなればなるほどチェックしたいのがエバポレーターだ。経年劣化によりエバポレーターが汚れてしまったクルマは、エアコンフィルターを交換してもニオイを完全には除去できない。エバボレータの洗浄は直接薬剤を噴射するタイプと分解して洗浄するタイプなどがあるが、まずは原因を突き止め、信頼できる整備工場などにお願いするのが良いだろう。

冷えが劇的に改善! “エアコンガスクリーニング”という選択肢

エアコンが効かなくなる原因の1つは前述した通り、ガスやオイルの量などに起因することが多いのだが、他にも要因がある。それは「水分」である。エアコンガスは水素系のため、エアコンシステム内に水分が発生しやすいという特徴がある。大まかな水分はリキッドタンクなどで除去できるものの、古くなるとその除去能力が低下し、水分が浮遊してしまう。

夏場に室内のエアコンをドライモードにすると同じ気温でも体感温度が下がるように、空気中の「水分」は冷えを悪くするのだ。最近ではそういった水分やガスの汚れを取り除き、適量のガスを充填する機械の導入が整備工場でも増えている。この機械は、一旦車両のガスを回収し、機械に付属されているドライフィルターを通して、ガスに含まれている水分やガスの汚れを綺麗に除去した上で、再度車両に戻し、 車両の方に設定されているガス量に対して不足している場合は、不足分を追加して充填する。綺麗なガスが車両の規定量充填されることによ り、通常のガス充填を行うより吹き出し口の温度が大きく変わるのだ。

このように体感として劇的な冷えの改善が見込めるエアコンガスクリーニングという手段もあることも理解し、まだまだ暑さが続く今年の夏のエアコンメンテナンスの選択肢の1つとして整備工場などに確認してみるのはいかがだろうか。

R12からR134aへ…エアコンガスの移り変わり

カーエアコン自体のメンテナンスのポイントはこれまで述べた通りだが、より具体的な「エアコンガス」についても、そのガスの特性と移り変わりについて少し触れておきたい。

1995年までの車に使用されていたエアコン用のガスが 「R12」である。R12は、成分中に含まれる塩素がオゾン層を破壊してしまうことから、1995年に生産中止となっており、現在は製造されていない。  

その一方で、R12の代替品として登場したのが、現在主流となっている「R134a」である。R134aは、成分に塩素を含んでおらず、オゾン層破壊の問題は解消されたものの、温暖化作用が CO2 の約千倍とも言われており、新たな環境問題が懸念されている。また水素系ガスのためエアコンの冷えの大敵とも言える水分が発生しやすく、システム内の圧力がR12と比較すると高いため、ガスが漏れやすいという欠点があることは知っておきたい。

温暖化対策のグリーン触媒「R1234yf」とは?  

前述した通り、現在のエアコンガスの主流は「R134a」なのだが、地球温暖化に大きな影響を与えることから、R134aの代替ガスとして実用化され、切り替えが始まったのが「R1234yf」である。特徴はR134aと比べ環境への負荷が少なく、温暖化に影響がないガスであるという点で、既にR1234yfへの切り替えは欧州が先行して行っており、日本では2018年の新型車より段階的な切り替えが始まっている。

今後は改正フロン排出抑制法に基づき、R134a使用車を2019年~2023年の4年間で10%、2024年~2028年の4年間で40%、2029年~2032年までの4年間で70%の削減が義務付けられているため、国産車のR1234yfへの切り替えは徐々に増えていくことは間違いない、2023年1月時点では、レクサスやクラウンといった高級車からヤリス、フィット、アルトなど大衆車や軽自動車に至るまで徐々にではあるが搭載が進んでいる。

ただし、R1234yfはR134aに比べ、コストが高いことなどもあり、現在の国産車における搭載割合はまだ圧倒的にR134aが多いのが現状である。今後の切り替えの流れに注目していきたい。

お盆を過ぎたとはいえ、今年に関してはまだまだ猛暑が続く見通しだ。暑さが続く中でも、カーエアコンに対する正しい知識を持ち、万全な対策をして、残り少ない夏のドライブを楽しんで頂ければと思う。

《CAR LIFE編集部@松岡大輔》

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