先代登場からおよそ7年振り、8世代目に進化したBMW『5シリーズ』が発売となった。最新モデルらしく48Vマイルドハイブリッド、電気自動車の『i5』も発表されている。今回はその5シリーズの原点を振り返ってみたい。
◆スマートでクリーンなBMWを世に知らしめた5シリーズ
E12型・初代5シリーズの本国デビューは1972年。たとえば“520i”という風に、車名をシリーズ名+エンジン排気量+仕様で表記する慣わしは(戦後では)このモデルから始まった。
カタログは当時の日本総代理店だったバルコム時代のもので、3つ折りのシンプルなもの。ただし外観写真などは日本で独自に撮影されたもののようだ。
日本市場では1973年から展開され、520、520i、530i、518i、528iなどが導入された。後に登場する『3シリーズ』とともに、スマートでクリーンなBMWのスタイルを世に知らしめたモデル。
◆ドアパネルも一緒、ほぼ初代を踏襲した2代目
E28型・2代目5シリーズは、1981年に設立されたBMWジャパンにより1982年から導入された。見てのとおり初代の進化版で、ホイールベース(E12=2635mm、E28=2625mm)はほぼ踏襲、ドアパネルなどもE12のそれが活用されている。ただし全幅を1690mmに留めながら、トランクリッドが高められるなどして空力性能が上げられた。
写真のE28型のカタログは1985年のもので、518i、524td、528e、535i、M535iの5モデルが載っている。このうち528eは、エンジン回転を5000rpmまでとしたイータエンジンを搭載し効率を高めた、いわば燃費スペシャル。524tdは2443ccのターボディーゼル搭載車だった。
またこの世代では『M5』も登場。このM5は、260ps/33.6kgmの3453cc、直列6気筒DOHCに5速スポーツギヤボックスを組み合わせて搭載した。