カーライフとドッグライフを考える…マツダとアニコムが開催する「ワンちゃんのしつけ教室」 | CAR CARE PLUS

カーライフとドッグライフを考える…マツダとアニコムが開催する「ワンちゃんのしつけ教室」

イベント イベントレポート
「ワンちゃんのしつけ教室 アニコム×マツダ STEP2」
  • 「ワンちゃんのしつけ教室 アニコム×マツダ STEP2」
  • 「ワンちゃんと一緒のお出かけを、できるだけ楽しいものにしたい」というイベント
  • ペット保険のアニコムからドッグトレーナーが講師として参加
  • 愛犬に優しい運転には正しい運転姿勢が大切
  • 「こんなに細かい調整ができるんですね!」と驚く参加者も
  • クルマの安全で快適な使い方を「自動車メーカーとして丁寧にお伝えしたい」と言う
  • 「いつも一緒にいたい」大切な存在である愛犬
  • 楽しい外出のお手伝いをしたいと言うマツダ

犬と人間の付き合いは長く、私たちの遠い祖先が農耕を始めた1万年以上前には一緒に生活していたと言われている。

当時は何らかの仕事を託す「使役犬」として飼育されたと考えられるが、時を経てその役割は大きく変わった。現代では、ほとんどの犬たちが "家族の一員" として共に暮らす存在となった。そんな変化が、自動車メーカーの活動にも影響を与えている。

◆愛犬とのドライブを楽しく

「ワンちゃんのしつけ教室 アニコム×マツダ STEP2」と題したイベントが、5月26日と27日にマツダR&Dセンター横浜で開催された。マツダは、「ワンちゃんと一緒のお出かけを、できるだけ楽しいものにしたい」(広報)との思いでクルマ好きの愛犬家を対象とした活動を行っている。2021年10月には、旗艦店の1つである関東マツダ高田馬場店でペット保険のアニコムと合同のしつけ教室を開催(参加者はアニコムの契約者で生後8か月までの子犬を飼っている人)。それから約1年半が経過し、「同窓会」を兼ねて行われたのが今回のSTEP2だ。

約2時間のセッションが午前と午後の2回ずつ2日間にわたって行われ、それぞれ6頭の犬と飼い主が参加した。前半は、「伏せ」や「おいで」などのコマンド(日常生活で必要となる号令)を犬に教える実習や、ドッグランやドッグカフェといった外出先におけるマナーなどに関する講義がアニコムのドッグトレーナーによって行われた。また、愛犬との絆を深めるための接し方や安全な散歩の方法など、日常生活に役立つ様々なヒントも聞くことができた。

◆愛犬に優しい運転は正しい姿勢から

前回、多くの飼い主から愛犬の車酔いに関する悩みが寄せられたという。ドッグトレーナーからは、かかりつけの獣医師に相談の上、酔い止めの薬を利用することが提案された。一方マツダは、正しい運転姿勢に関する講習を行った。

マツダ広報は、「ワンちゃんに負担をかけない運転は、車酔いの予防にもつながります。“優しい運転”のためには、クルマをスムーズに操作できる正しい運転姿勢が大切です」と説明する。参加者のひとりは「こんなに前で運転するのが正しいんだ!」と驚いたという。シートの高さや背もたれの角度、ステアリングホイールの位置など、細かく調整するという概念がこれまではなかったという。普段はかなり腕を伸ばした姿勢でステアリングを握っていたようで、「きちんと教えていただく機会はなかったので、とても新鮮でした」とのことだ。

ドライビングポジションは、スポーツで言えばフォームのようなものだろう。正しい姿勢で運転すれば、スムーズな操作が可能で安全な運転につながる。長距離を走行した場合の疲労も軽減され、愛犬や家族とのドライブはより楽しいものにもなるだろう。地味なことだが、「自動車メーカーとして丁寧にお伝えしたい」とマツダの担当者は話す。

◆愛犬家の声をクルマづくりに生かしたい

普段は広島で勤務している開発エンジニアも、愛犬家の意見を聞くためにこのイベントに参加した。アウトドア好きのある家族は、キャンプに便利なクルマを探しているとのことで、『ボンゴ フレンディ』のポップアップルーフ版を復活させてほしいとのことだ。開発担当者は、「いただいたたくさんのご意見を、今後の商品やサービスの開発に生かしたい」と語る。

一連のイベントテーマは、「いつも一緒にいたいから」。昔は“外で飼育する動物”だった犬たちが“共に暮らす家族”へと変わり、外出時には必ず愛犬を伴う家庭は少なくないだろう。クルマでの外出ならば、周囲への気配りや遠慮は公共交通機関ほど必要ない。そんなクルマとの親和性の高さから、「マツダを知ってもらうきっかけとして、犬たちの力を借りよう」と思ったのが活動の始まりだそうだ。

担当者は、「子犬時代のお悩みや外出の不安解消をお手伝いすることで、楽しいお出かけのお役に立てればと思います。ワンちゃんと飼い主さんの人生に、マツダが少しでもご一緒させていただければ嬉しいです」と思いを語ってくれた。

STEP2の成功で、「今後も絶対に続けていきたい」意向だ。「マツダとして、カーライフとドッグライフという観点からお役に立てることを、色々な専門家と協力して考えていきたい」と担当者は継続に意欲を見せる。当日は、SKYACTIVエンジンの生みの親でもある人見光夫エグゼクティブフェローも参加。「ペットと出かけるのが、もっと楽しくなるようなクルマをつくりたいと思っています。是非、ご意見をください」と挨拶していた。

◆犬が動かす自動車産業

犬をはじめとする愛玩動物(ペット)たちは、その存在意義が変化しただけではない。2019年から始まったコロナ禍をきっかけに、犬を迎える家庭も増えている。2020年における犬の新規飼育頭数は、前年から2割近く増加している(ペットフード協会調べ)。ドッグフードメーカーや動物病院、玩具やアパレル関連などのグッズ類を取り扱う事業者まで、ペット市場は多様化し拡大している。

そんな中、自動車業界もペットに注目している。ある国産車メーカーは、マーケティング活動の一環として、新車発表のタイミングで一時的にドッグランをオープンした。テレビCMにも、小型犬をメインキャラクターとして登場させた。犬とドライブに出かけるための車載グッズを、純正アクセサリーとして開発するメーカー関連会社もある。

マツダは、直接触れ合う形で(潜在)顧客への訴求を続けている。今後、各社の事業戦略に犬たちがどのような影響を与えていくか、たまにはそんな観点から自動車業界を見ていくのも面白いかもしれない。

《石川徹》

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