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減衰力調整は「車高調」のキモとなる! 乗り心地が変わる秘密

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減衰力調整は車高調のキモとなる! 乗り心地が変わる驚愕の秘密~カスタムHOW TO~
  • 減衰力調整は車高調のキモとなる! 乗り心地が変わる驚愕の秘密~カスタムHOW TO~
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減衰力はサスペンションの上下動を抑えたり、沈んだり伸びたりするスピードを調整する役割を持つ。オイルの中を穴の空いたピストンが動くことで抵抗を与えている。その他にシャフトの真ん中をオイルが通過する通路もある。その通路を通るオイルの量を調整するのが減衰力調整ダイヤルだ。調整ダイヤルを締め込むと、穴に先端が尖ったニードルが入っていき、通過するオイルが減って抵抗が増える。緩めるとオイルが流れやすくなって抵抗が減るというのがその仕組みだ。

そこで締めたり緩めたりすると、締めた時には乗り心地が硬くなり、緩めるとソフトになる。たしかにそう感じられるのだが、硬さを調整するための機構でないというのが実はポイント。抵抗が増えることで沈み込むまでに時間が掛かるようになる。スッと縮んでいたところ、減衰力が強くなるとジワッと沈み込むまでに時間が掛かるようになる。そうなると段差を乗り越えるときにサスペンションがしっかりと縮む前にボディに衝撃を伝えてしまい、乗り心地が悪く感じられるのだ。逆に減衰力を緩めると段差を超えるときにスッとサスペンションが縮むので、ボディに衝撃を伝えにくく乗り心地がよくなったと感じられるのだ。

しかし、減衰力が弱すぎると車線変更でフラフラしたり、段差を越えたあと縦にフワンフワンと跳ねてしまったりする。強すぎても弱すぎてもダメなのが減衰力なのだ。では、どんなときにどう調整すればいいのか。必ずしもこうなったらこう調整すれば良いという方程式が当てはまらないのが難しいところだが、ありがちな思い込みは知っておきたい。

1:乗り心地を良くするために減衰力を緩めた

よくあるのが、街乗りでは減衰力を緩めて、ワインディングやサーキットでは減衰力を締め込むというもの。たしかにサーキットの方が車速も上がるし、フラフラしやすくなるので減衰力を強めることはある。

逆に街中では緩めて乗り心地をよくしたいと思うのは当然。しかし、緩めすぎるとフワフワと上下動が止まらずにむしろ不快になることもある。ある程度は減衰力を締め込んでダンパーを効かせたほうがしっとりとした乗り心地になることもあるのだ。

2:サーキット走行時は減衰力を締め込む

サーキット走行=減衰力を締め込む、実は必ずしもそうではない。サーキットだからといって締め込みすぎるとサスペンションが縮み切るまでに時間掛かってしまう。そうなると姿勢が安定するまでに時間が掛かってしまい、むしろ走りにくくなることがある。むしろスッと沈んで姿勢を素早く決めたほうがS字コーナーなど走りやすくなることも多い。

また、締め込みすぎてタイヤが路面に追従しなくなり、ステアリングを切っても曲がらずにアンダーステアになっていることもある。いかにタイヤを路面に沿わせるかを考えて、ある程度動くようにしたほうが走りやすい。

3:フロントは5段戻しリアは7段戻しで、フロントを硬めにした

前後のダンパーの段数を揃えれば前後同じ硬さ、同じ減衰力になるということはない。もちろんダンパーメーカーでは前後の段数が同じくらいでバランスするように設計しているが、前後ダンパーはまったくの別物なので、必ず同じ段数にしたらバランスするわけではないのだ。

同じようにフロントを少し締め込んだからと言って、フロントの減衰力が強くなるとも限らない。そのダンパーキットの設計によって、前後が同じようにバランスする段数は違うので数字の先入観にとらわれずに調整してもらいたい。

ちなみに乗り心地に影響が大きいのはリアの減衰力。フロントよりもリアが軽いクルマが多く、リアの動きがシビアに室内に感じられるもの。乗り心地がちょっとハードだったら、リアだけ数段緩めるなどがオススメ。

4:減衰力調整が20段より30段の方が調整範囲が広い

これは車高調メーカーにもよるが、段数が多い=調整範囲が広い、とは限らない。段数が多いものほど同じ調整範囲を細かく調整できることが多い。細かく合わせ込めるのは利点だが、段数が少ないモデルだからといって、サーキットからストリートまでに対応できないというわけではない。

たしかに細かく調整できるに越したことはないが、20段調整の1段階はドライバーが感じられたとしても、48段や96段調整の1段階となるとほぼ感じ取るのは難しい。なので実際はそういった多段モデルだと3~4段ずつ動かすことも多いのだ。なので段調整数が多くても、車高調の調整範囲を細分化しているという事なので必ずしも段数が多い製品が必要とは限らないので自分の感覚に合わせた製品を選ぶ事が重要となるのだ。

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《加茂新》

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