2023年初の発売予定として、北米で11代目新型『アコード』が発表済み。日本を始めグローバルにも順次、展開していくという。そこで今回は、そんなアコードの初代モデルを振り返ってみたい。
◆新しい主張のあるアダルト・カーとして誕生
初代アコードの登場は1976年5月。“乗る人のゆとりと、人とクルマの調和をめざして、新しい主張のあるアダルト・カーとして誕生”(広報資料より)したクルマだった。それまでにホンダには『1300/145』のセダンとクーペがあったが、初の1.6リットルエンジン搭載の上級モデルだった。
スタイリングはいかにも『シビック』の上級モデルといったデザインで、当時の他の国産車とはひと味違ったクリーンでヨーロッパ車調のもの。ハッチバックを採用した2BOXスタイルも当時の同クラスでは斬新だった。
カタログ写真(ハッチバック)は1978年の1800シリーズの時のものだが、当初は1600のCVCCでスタートしている。サスペンションは4輪ストラットの独立を採用していた。
またデビュー翌年の1977年にはノッチバックの3BOX形状のサルーンを追加。ホイールベースはハッチバックと共通の2380mmのためやや“詰まって”見えたものの、ハッチバック同様のヨーロピアンな姿形ではあった。
このサルーンは1978年のマイナーチェンジでボンネット中央が膨らんだデザインとなり、モデル最後期には角形4灯ヘッドランプが与えられるなどの変遷を辿った。
トレイ状のインパネもアコードの特徴で、以降のホンダ車も暫くこの型式を採用。車速感応型パワーステアリング、OD、無段変速の★(スター)レンジ付きホンダマチックの採用、リモコンミラー、パワーウインドゥ、パワーアンテナなどの装備が充実していた点も、“車質”を謳うアコードらしいものだった。