『三菱モータースポーツ史』
ダカールラリーを中心として
著者:廣本 泉
発行:グランプリ出版
定価:3080円
ISBN978-4-87687-398-2
三菱『パジェロ』で、前人未踏の戦績を残したラリー活動を中心に、三菱のモータースポーツ活動の足跡を詳細に解説する初の書籍が刊行された。
1982年のパジェロの誕生をきっかけとして参戦を開始したダカールラリーでは、日本人初の総合優勝、大会7連覇、そして通算12勝という偉業を成し遂げ、培われた経験や技術は、その他のレース競技や生産車両に受け継がれた。本書では、当事者への取材や史料をもとに、ダカールラリーの足跡を中心に、WRCや黎明期、さらには近年の活動について、カラー口絵や豊富な写真・図版を駆使して詳しく解説している。
三菱が最初にモータースポーツに参戦したのは1962年11月に開催された第9回マカオグランプリで、クルマは『500スーパーデラックス』だった。加速性能と耐久性が高かったことから、クラスウインを飾るとともに4位までを独占。そこから積極的にモータースポーツ活動を行っていく。
そして三菱が本格的にラリーに参加し始めたのは、『コルト1500』で1966年9月に開催された第8回日本アルペンラリーからだ。その翌年には、海外ラリーにも積極的に参戦していく。
1977を最後に一度すべてのモータースポーツ活動を停止したが、1981年、「ランサーEX」でWRCに参戦をはじめ、1983年にはパリ・ダカール・ラリーに出場。こうして大会7連覇や日本人初の総合優勝などの歴史が始まるのだ。
本書は、こうした史実を当時の豊富な写真とともに解説。もちろんダカールラリー以外のモータースポーツ活動に関しても多くのページを割いており、三菱のモータースポーツ史を辿る最適な1冊となっている。