ウインタードライブの必須アイテムと言えば冬道での安全性を確保するスタッドレタイヤなどの滑り止め装置だ。今回はスタッドレスタイヤの導入についてその手法やスタイルを紹介してみた。
そもそもスタッドレスタイヤはご存じの通り積雪路面や凍結路面などを安全に走行するためのタイヤ。降雪地域へのドライブでは利用は必須なのだが、非降雪地域でも橋梁などの路面凍結が心配される場所もあるので、冬になればサマータイヤ→スタッドレスタイヤに履き替えておくことで安全性と安心感がアップする。
しかし今シーズンはじめてスタッドレスタイヤを履くというユーザーは、スタッドレスタイヤへの履き替えにとまどうかも知れない。そこでタイヤ効果について紹介して行くこととした。
もっともベーシックなスタッドレスタイヤの導入方法は、現在タイヤを装着しているホイールからタイヤを取り外して、新たにスタッドレスタイヤを装着する方法だ。スタッドレスタイヤのサイズは現在装着されているタイヤとまったく同じサイズを選ぶことになる。タイヤの交換作業をカー用品店やタイヤショップなどにオーダーする方法だ。これは何の迷いも無くスタッドレスへの交換が可能だ。
しかしタイヤのみを交換すると春先には再度スタッドレスタイヤをサマータイヤに戻すのタイヤ交換が必要になる。そこで多くのユーザーが実践しているのがスタッドレスタイヤを装着するために別途ホイールを1セット(4本)購入するスタイルだ。これならばタイヤ交換の必要は無く、ホイールごと交換することでスタッドレスタイヤをサマータイヤの交換が比較的手軽に実施できるのだ。
しかしホイールを同時に購入すると「かなり割高になるのでは?」と思うユーザーも多いだろう。しかし購入方法によってはセット販売はリーズナブルな場合もあるので要チェック。
それを見込んでカー用品店などでは晩秋以降のスタッドレスタイヤへの換装時期になるとスタッドレスタイヤ&ホイールセットが大々的に販売される。中にはかなり格安なセットもあるので、タイヤだけを交換するよりもお得感が高いのもスタッドレスタイヤ&ホイールセットの魅力だろう。
さらにタイヤ&ホイールをセットで購入する場合に実施できるのが“インチダウン”だ。これは純正ホイールに対してホイールサイズを小径化するスタイルだ(16インチ→15インチなど)。ホイールの小径化に合わせてタイヤもインチダウンする(ハイトが高く、トレッド幅が狭くなる傾向になる)ため、ホイールもタイヤも純正装着時のサイズを購入するのに比べてリーズナブルになる可能性が高いのだ。スタッドレスタイヤへの換装はリーズナブルに済ませたいと思っているユーザーには使えるタイヤ換装方法なので要注目。
ただし、インチダウン時にはいくつかの注意点がある。ひとつはタイヤ外径を大きく変化させないこと。これはスピードメーターの誤差につながるからだ。純正状態から規定値以上に逸脱してしまうとNG。普段の走行もメーター読みと実速度が大きく異なってしまうことになる、車検も合格しなくなるので要注意。純正タイヤの外径から大きく変化しないタイヤを選ぶのが必須だ。
次にLI(ロードインデックス)にも要注目。LI値は1本のタイヤが支えることができる荷重指数だ。純正の値を下回ること無いようにタイヤを選びたい(インチダウンする場合は多くの場合が問題にならない)。また速度記号(タイヤサイズの末尾に付いているH(最高速度=210km/h)やS(最高速度=180km/h)などのローマ字)にも注意。これはタイヤが走行できる最高速度を表記しているので、純正値を下回らないようにタイヤを選ぶのが基本となる。これらの条件をクリアしておけばインチダウンは十分に現実的だ。
ここまではスタッドレスタイヤについて紹介してきたが、もうひとつの選択肢としてオールシーズンタイヤと呼ばれるタイヤを選ぶ方法もある。こちらはその名の通り全シーズンを通して使えるタイヤのこと。スノーフレークマークを備えていれば高速道路の冬用タイヤ規制が出ても走行できる。通年履き続けられるのでウインターシーズンがやって来るたびにタイヤ交換を実施するのが面倒というユーザーならこちらの選択肢もありだろう。ただし冬専用のタイヤであるスタッドレスタイヤには氷上性/雪上能でかなわないので、お手軽さを重視するユーザー向けと行ったところ。絶対性能を求めるユーザーはスタッドレスタイヤを選ぶのが無難だろう。
降雪地域への冬ドライブに必須のスタッドレスタイヤやオールシーズンタイヤ。交換の手法にもいくつかの選択肢があることがわかったので、自分のカーライフに合わせてチョイスすると良いだろう。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。