日本自動車殿堂は11月8日、「2022 日本自動車殿堂 歴史遺産車」を発表。東京自動車製造『筑波号』(1934年)、日産『フェアレディZ』(1969年)/ダットサン『240Z』(1970年)、スズキ『GSX1100S KATANA』(1981年)/『GSX750S』(1982年)、トヨタ『プリウス』(1997年)の4車種が選定された。
歴史遺産車とは、日本の自動車の歴史に優れた足跡を残した名車を選定し、日本自動車殿堂に登録し、永く伝承するもの。
筑波号は、川真田和汪氏の手により開発された国産初の前輪駆動小型乗用車。1934年に製造が開始され、130台が販売された。乗用車の主流となる前輪駆動自動車は、1930年代頃から欧米で開発が始まったが、ほぼ同時期に筑波号は日本における前輪駆動自動車の先駆けとして開発が始まった。
フェアレディZ/240Zは日本で最も長い歴史を刻む国産スポーツカーの初代モデル。1969年に日本では「フェアレディZ」、翌1970年には米国では「ダットサン240Z」の名で登場。従来にないGT的なスポーツカーを求めていた米国市場を中心に、世界各国で爆発的ヒットとなり、約9年間で世界販売52万台を記録した。
GSX1100S KATANA/GSX750Sは、BMWのチーフデザイナーを務めたハンス・ムートが「日本刀」をイメージしてデザイン。そのエキセントリックなデザインは欧州市場をはじめ日本でも高く評価され、スズキブランドの確立とシェアの拡大に貢献、世界の二輪車市場で新しいジャンルを切り拓いた。
プリウスはハイブリッドシステムを搭載した世界初の量産乗用車。初代モデルは燃費を従来のガソリンエンジン車に比べ2倍にに向上させ、排出するCO2を半減。その後の環境対応技術の先駆けとなり、燃費の向上、二酸化炭素の排出削減において技術的方向性を指し示した。また、2000年から輸出が始まり、環境に敏感な米国市場で大きな話題となり、著名人たちが率先して愛用したことも話題となった。