大阪府豊能町と阪急バスは、地域公共交通の課題解決に向け、2023年2月1日から1か月間、AIオンデマンド交通(区域内不定期運行)の実証実験を行うと発表した。
阪急バスが運行する北摂の中山間地域では、高齢化と人口流出に加え、コロナ禍による移動制限や生活様式の変化などを受け、路線バスの利用者が減少。乗務員不足も相まって、事業の継続が厳しい状況にあった。また、バスの運行間隔も長く、交通の利便性は高くない状況だった。
豊能町と阪急バスでは、既存の路線バスの運行計画の見直しを図る一方、新たな移動サービスの検討や北大阪急行電鉄の延伸に伴う新駅への接続も含めて協議。このような状況を打破するため、新しい交通手段であるAIオンデマンド交通の実証実験を実施することを決定した。実証実験は、大阪府豊能町西地区(約4.5平方km)にて、7~8人乗りのワンボックス車3台で実施。ダウンロードしたアプリ操作または電話にて予約し、指定の約150か所で乗降できる。
路線バスよりきめ細やかな乗降ポイントを設定することで、買い物・通院・公共施設への移動が充実。能勢電鉄妙見線・阪急バス豊能西線(北急接続)を広域基幹交通として、域内移動をAIオンデマンド交通の導入により、ハブ&スポーク型の地域交通体系へ転換し、効率的な運行ネットワークを形成することを目指す。また、高齢者の移動課題解消、子育て世帯の利用増進を図り、人流を増加。まちの活性化にもつなげていく。