シダックスグループの大新東は、スクールバスの空き時間を活用した予約型乗合バス(デマンドバス)の併用実証実験を8月1日より千葉県君津市にて開始した。
現在、高齢者の免許返納後における移動手段確保等の理由から、公共交通の重要性が高まっている。しかし、路線バス事業者の撤退や運転士不足により、多くの自治体で交通空白地帯が生まれている。大新東は2005年10月より君津市所有のバス車両でコミュニティバスの運行を受託。しかし、小糸地区ではバス停から距離がある地域に住む高齢者も多く、通院や買い物のための交通手段確保が課題となっていた。
今回、こうした社会課題を君津市とともに解決すべく、2019年4月より運行を受託している周東(すとう)中学校のスクールバスの登下校の空き時間(9時~15時)を利用して、週3日(月・水・金)、地区内60か所の共通乗降場所で自由に乗降できるデマンドバス「こいっとバス」(14名乗り)を走行する実証実験を行う。
こいっとバスは、大新東の予約受付センターに電話予約することで、行きは自宅近くの共通乗降場所から乗車し、帰りは目的地の最寄りの共通乗降場所で降車できる。運賃は片道500円。路線バスのバス停・タクシー事業者の共通乗降場で乗車する場合は300円となる。また、大新東は各利用者の予約状況から、複数の利用者を乗車、かつ最適の運行ルートを導き出すことで、CO2削減等による環境負荷の低減、およびスクールバスを運転する運転サービス士の空き時間の運行業務創出につなげていく。