ルノーはこの3月から、新しいロゴの使用を本格的に展開し始めた。1月に発表された『5プロトタイプ』のフロントエンドに初めて採用されたもので、キャンペーンや各種媒体で本格的に使用されることになった。新しいロゴはルノーの“ヌーヴェル・ヴァーグ”だという。ルノーによると、刺激的でモダンな、何か新しいことを示唆する。現行のロゴ(車両に装着されるエンプレムではなく、ウェブサイトや印刷物で使用されるコミュニケーション用のロゴ)は2015年に登場した。見栄えがやや煩雑で、サイズが小さい時の可読性に難があった。新しいロゴはどのサイズでも明確でに見え、凹凸表現、立体表現にも耐えうることをめざした。新しいロゴのフラットデザインは“時代の空気”だ。ルノーのロゴはには長い歴史があるが、ルノーではノスタルジーに浸ることなく、新しいロゴによって自らを現代的で最新技術をもつブランドであると表明したのだ。新しいロゴはTVコマーシャルやソーシャルメディですでに使用されている。ウェブサイトには6月ごろから展開される予定だ。車やショールームでは2022年から見ることができるようになるという。ルノーのロゴは、アイコニックで瞬時にそれとわかるシェイプをもつ。ひし形だ。最初のひし形は1925年型「40CV」で現れている。第二次世界大戦後、ルノー公団に改組され、1946年にロゴはクリアでシャープなラインになった。1959年にリデザインされて、「RegieNationale(公団)」の文字がドロップする。1972年に、イヴラルとヴァザリー親子がデザインした歴史的なロゴが登場する。1978年にはウルフ・オリンズがデザインしたタイプフェイス(文字)が添えられる。このロゴは20年間、ルノー車のフロントグリルに装着され続けた。1992年には、スタイル・マルクがデザインした伝説的なダイヤモンドが現れる。3Dシェイプとクロームフィニッシュは、ウルフ・オリンズのタイプフェイスとの相性もよかった。ウルフ・オリンズのタイプフェイスは2004年まで使われた。2004年にひし形は黄色の矩形の中に収められ、タイプフェイスが変更された。2007年のマイナーチェンジでは、文字は矩形の中、ひし形の下に移動した。2015年が最後の変更で、ロゴとタイプフェイスは、ルノーのデザインスタジオとインターブランドとの協力でデザインされた。これが2021年まで使用されている。