アフターメンテナンス促進にPPF対応…プロのコーティング最新事情 | CAR CARE PLUS

アフターメンテナンス促進にPPF対応…プロのコーティング最新事情

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かつての固形・ハンネリワックスに代わり、今や多くのカーオーナーが塗装保護・美観維持のために活用しているボディコーティング。そのコーティングでも、かつてのポリマー系と呼ばれたタイプから、現在ではガラス系・ガラスコーティングと呼ばれる製品が主流になり、液剤・施工手法も進化しつつある。そして近年では、コーティングが一定程度普及したことも背景に、さらなる“次なる一手”が広がり始めている。


◆見直されるメンテナンスの重要性

近年、プロショップでも改めて見直されているのがボディコーティング施工後の定期メンテナンスだ。ディーラーでの新車購入時のオプション施工を中心に、コーティング自体は普及したものの、その施工後に定期メンテナンスを実施しているユーザーは実際には多くないのが現状という。

そんな中、洗車好きにお馴染みのソフト99コーポレーションでは、プロショップ向けに展開する自社ブランド「G’ ZOX(ジーゾックス)」の主力商品「リアルガラスコート」を6月にリニューアル。それに続き、8月には新たに専用メンテナンス剤を発売した。



実はディーラーに限らず、プロショップで施工したユーザーでも、「コーティングを施工したらその後ケアしなくても綺麗なまま」といった誤認が一部で残っており、定期メンテナンスの施工率は地域や店舗によってバラつきがあるのが現状。一方で、「○年輝きが持続」といったコーティングでも、保管状況・走行頻度に応じた劣化は避けられず、同社のメンテナンス剤を活用することで、コーティング被膜の撥水性能を取り戻すことができるという。


また、プロショップのみならず、ユーザー自身の手によるメンテナンスをサポートする製品ブランドもある。2017年に日本に上陸した英国のカーケアブランド「GYEON(ジーオン)」は、東京オートサロンや大手カー用品店・ディーラーなどの店頭を通じ、ユーザーの間で人気を高めつつある。



カラフルなボトルが目を惹く同ブランドだが、魅力的なのはその豊富な製品ラインナップ。日本総代理店を務めるジーオンクオーツジャパンの西川篤志代表は、「元々欧州では、コーティング施工後のプロショップへのメンテナンス入庫は少なく、ユーザー自身で日頃のケアをする文化が根付いている。ジーオンも、そんなユーザーをサポートするという観点で、本国のプロディテイラーが各種製品を開発した」といい、複数種のボディコート剤をはじめ、素材別の内外装各種クリーナー・メンテナンス剤、コンパウンドや鉄粉除去剤、クロスやブラシ類といったアクセサリー類まで、70製品以上を取り揃えている。



プロショップに入庫するにしても自分の手でするにしても、「施工しっぱなし」ではなくマメなメンテナンスをする環境が一段と整いつつある。


◆プロテクションとの組み合わせ技

また、これまでボディ保護の観点で大きな役割を担ってきたコーティングだが、近年ではボディ保護の新たな術としてペイントプロテクションフィルム(PPF)も広がりつつある。主に150μm程のポリウレタン基材のフィルムを塗装面に貼付して保護するPPFは、サーキット走行車や高級車を中心に広がってきたが、最近ではコーティングと組み合わせたサービスも登場している。



熊本県のプロショップ「ガラボ」では、PPFとボディコートを組み合わせた独自のセットメニュー「ケアテクション」を2018年に商標登録し、今年に入ってから一段と問い合わせが増えているという。

ケアテクションは、ボンネットとルーフ、トランクへ国産PPFブランド「JN-SHIELD(JNシールド)」の100μmタイプを、その他の部分にセラミックコーティング「FEYNLAB(ファインラボ)」を施工。この標準メニューをベースに、PPFの施工箇所をオプションで追加できるほか、PPF(XPEL、STEK、fenix)・コーティングも複数ブランドから選択できる。ファインラボは自己修復機能を有するアメリカのコーティングブランドで、洗車拭き上げ時などに生じる微細な傷に対し、熱を加えることで修復する特性を有している。


ガラボの浅野代表は、「これまで様々なコート剤を試したが、樹液や蟻酸、猫の爪傷といった日常の生活傷や、強い紫外線、九州特有の火山灰などはコーティングでは防ぎ切れない」として、コストと品質バランスを両立したこのメニューを考案。PPFは従来、スーパーカーを中心とする超高級車レンジが中心だったが、外的ダメージが大きいボディ上面への施工に限定し、コーティングと組み合わせてコストを抑えることで、「300~800万円程度の車両価格を中心に、従来10万円のコーティング施工に難色を示したお客様からも問い合わせが増えている」そうだ。



さらに、こうした施工方法のみならず、「Linda(リンダ)」ブランドで知られる横浜油脂工業のプロ向け新コーティング剤「ハードバリアX-OVER」ではPPF面への施工に対応したり、PPFのリーディングカンパニーであるXPELでも、PPF専用コート剤「FUSION PLUS(フュージョンプラス)」を展開したりと、製品においてもPPFとコート剤のミックスは進みつつある。




◆相談できるプロショップを

製品・施工方法の両面で、これまでのコーティング一辺倒から一層選択肢が広がりつつある愛車のケア術。

一方で、前述のガラボ浅野代表は、「情報を自身で調べ、製品性能を追求するお客様も少なくないが、愛車の状態や保管・走行状況、求める仕上がり、予算で“答え”は三者三様に異なる。『塗膜保護』『防汚』『劣化防止』『美観維持』など、製品ありきではなく“愛車をどうしたいか”をプロに相談してほしい」と話す。ケアする術が多彩になってきたからこそ、まずは相談できるプロショップで「自身と愛車に合ったケア」を探してみてはいかがだろうか。
《カーケアプラス編集部@相原駿》

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