一般社団法人日本RV協会は、キャンピングカー業界の動向とユーザーの現状の調査結果を発表した。その調査結果を見ると、キャンピングカーがより一般化し、ユーザーニーズが細分化されている事がうかがえる。最近では働き方の多様化や、団塊の世代のリタイアなども進み、自由な時間をクルマでゆっくりと旅をしようという人も増えてきている。そこで、これまで使用してきたマイカーをキャンピングカーに買い替えるといった動きもここ数年動向としては現れてきている。7月20~21日には東京キャンピングカーショー2019が開催される。それに先駆けて、最新のキャンピングカーユーザーの動向調査の結果が発表された。●キャンピングカーの保有台数は11万台を突破日本におけるキャンピングカーの保有台数はついに11万2500台と11万台を突破した。前年比で6300台増という結果になった。各工場から出荷された台数は、8ナンバー以外が1896台で1位。バンコンが1863台、キャブコンが1653台と続く。トータルでは5637台。このところ5000台強のペースが維持されている。入門編として人気が高い軽自動車ベース車両は1300台に到達が目前だ。●販売総額は年々増加傾向、記録更新中出荷台数同様、直接エンドユーザーに販売したキャンピングカーの販売総額も年々増加傾向にあり、2018年は約458億円。これは前年比約33億円増の規模。これは過去最高の金額で、連続記録更新中だ。●キャンピングカーでもっとも欲しい装備はFFヒーターキャンピングカーユーザーの中には登山、マリンレジャー、写真撮影、スキーなどの活動拠点に利用するという人は少なくない。そうした趣味は、宿泊施設などの環境が整備されていない環境に価値があるともいえる。そうなると、エンジンを停めておいても暖をとることができるFFヒーターは、冬の必需品と言えるだろう。年々性能が向上しているソーラーシステムも、動向が注目される。●仕様でもっとも関心があるのは「居住空間」仕様で関心ある項目は、2018年は、(1)居住空間、(2)ベース車両、(3)燃費、(4)走行性、(5)断熱性という結果となった。この結果は、これまでとは大きく異なる傾向見られる結果だ。これまではベース車両が何であるか、などが上位に来ていた。それに対して今回は、居住空間の広さや過ごしやすさ、あるいは燃費など、キャンピングカーライフで実質的な部分により大きな関心が示された。「キャンピングカー=家」という感覚がより鮮明になってきているのではないだろうか。車中泊という個人的な移動事情を快適にする、効率化するというだけでなく、商談や打ち合わせもできる仕事場として、また、仕事場と、自宅の区別が希薄になった生活を送る「バンライフ」を実践する人たちが増えていることも影響しているだろう。●レンタカー利用はお盆やGW、週末の2泊3日利用が多数実際の利用時期でもっとも多いのが8月、ほぼ横並びで5月と続く。お盆や夏休み、GWがターゲットとなっていることがわかる。年末年始は意外と少ない。寒い時期に積極的にくるま旅やアウトドアを楽しみたいというところまでは、市場のマインドが至ってないのかもしれない。利用スタートは金曜日と土曜日ということで週末利用が圧倒的に多い。平均的な利用期間は2泊3日が7割を占め、1泊2日が2割程度となっている。仕事を終えた金曜日に目的地へ移動し、仮眠の後、土曜日を1日めいっぱい活用するのだ。近年、同様の調査結果が出ている。●キャンピングカーならではのレンタカーの問題や課題は?ますます需要が増えそうなレンタルキャンピングカーだが、問題や課題はないのだろうか?業界で把握している課題としては、車両破損の対応や直前のキャンセルルールといった「キャンピングカー以前」のこと、初めて運転するひとが多いことから安全な運転方法や装備類の使用方法レクチャー、モラルやマナーの指導の強化があげられた。レンタルできることそのもののの認知拡大や、訪日観光客強化も重要だと感じている事業者は多いようだ。また、どこでも寝られるからと言って、どこで宿泊してもいいということではない。RVパークやキャンプ場などの安全・安心な場所での宿泊が、よりくるま旅を楽しくさせてくれる重要なファクターであり、そうしたことの啓蒙を、モラルやマナーの向上と併せて日本RV協会自体も取り組んでいる。
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