国土交通省は8日、エアバッグリコール未改修車両の一部について、車検を通さない措置を行うことを公表した。対象車両は、自動車メーカー9社、97車種、約130万台(10月末時点)に及ぶ。リコールが届けられた車両の中で、タカタ製エアバッグ搭載車両は約320万台(10月末日時点)が、未改修のまま残っている。今回の措置は、そのリコール対象車のうち異常破裂する危険性がより高い約130万台。道路運送車両法の特例措置として、保安基準に適合しない車両として未改修車が位置付けられる。約130万台の内訳は、2016年4月以降にリコールの届出されている車両で、エアバッグのインフレーター(ガス発生装置)を気密性が不十分で異常破裂の原因が特定されている約12万台。さらにインフレーター内部に乾燥剤が入っていないことで経年劣化が進み異常破裂する可能性がある約118万台。運転席・助手席ともに2010年以前の仕様、SPAタイプのインフレータを使用したエアバッグを搭載している車両。8日の告示・通達以降、車検情報の中に未改修車の車検不可情報が追加される。エアバッグリコール対象車を、来年5月以降に未改修のまま整備工場などに持ち込んでも、車検前に照合されるため車検を受けられない。車検に通らない車両は、公道を走ることはできない。タカタ製エアバッグの異常破裂では世界で少なくとも18人が死亡。国内では2人が負傷したが、今夏以降の事故は見つかっていない。一刻も早い改修が呼び掛けられているが、国内回収率は83.2%(10月末日時点)に留まっている。特例措置はその一刻も早い改修を促すために実施された。未改修のままだと車検が通らない対象となった車両については、自動車メーカーが所有者に対して「車検が通らない」ことを封筒表面にも明記したダイレクトメールを送付する。また、自動車メーカーが8日以降、リコール対象、特例措置対象車両を判別できる検索ページを立ち上げて、ユーザー自身が検索できるように対応する。改修が終わった車両は、改修済みを証明する書面が発行される。次回車検で通常通りの更新が可能だ。車検の受付時期が到来していれば、改修と同時に車検を受けることもできる。石井啓一国土交通相は同日の会見で「対象車両のユーザーは、車検の有効期間を待つことなく、一刻も早く改修を行うようお願いする」と、呼びかける。
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