前回、一般的にハイレゾとはCD規格の44.1kHz/16bitを超える“デジタル楽曲ファイル”のことだと書いた。この規格については改めて整理してお伝えしたいと考えている。それでは、今、改めてハイレゾ再生をするメリットとは何なのか?をデジタル楽曲ファイルのメリットと併せて下に書き出してみよう。(1) 44.1kHz/16bitを超えるハイスペックレートによる音質の良さ(2) CDドライブなどメカに頼らないで高音質再生ができる(3) パソコンやDAP、ネットワークプレーヤー、カーオーディオのヘッドユニットなど様々な機器で聞くことができる(4) 楽曲の物理的な欠品がなく、聞きたいと思ったらすぐ入手できる(5) ジャンルを問わない高音質な新譜アルバムを聴くことができる(6) リマスターされた高音質な名盤を聴くことができる(1)はハイレゾ最大のメリットと言える。情報量が多く空間再現性に優れた良い音で音楽を聴くことができるので音楽的な感動値は上がるし、今までスタジオや関係者しか聞けなかった質の高い音を再生できる。むろんハイレゾであれば全て良いわけではない。あくまでもハイレゾは“大きな器”を持った規格であり、大切なのはその中身の質だということをまずは意識してほしい。(2) CDプレーヤーなどの物理メディアは、必然的に音楽信号を読み取るドライブメカが必要で、さらにそのメカ部が音質を左右する大きなファクターになっていた。また副次的なメリットとしてカーオーディオは振動による音飛びの心配もなくなったし、回転やローディングなどのメカ部がなくなったことで、再生機器の故障率が大幅に低減したことは見逃せない。(3)物理メディアをドライブするメカから解放されたことにより、大きさや形にとらわれない様々なオーディオ機器で音楽が再生できるようになった。例えば手のひらに乗るようなハイレゾ対応プレーヤーでCDを超えるような音を出すなんてことは、10年前であれば想像もつかなかったのである。(4)から(6)は主にソフトウェア的なメリットである。CDなどの物理メディアを購入する場合は、欲しいと思ってから実際に手に入れて音楽を聴くまで、タイムラグがあった。さらに人気アルバムは一旦品切れすると入手が難しいものもあった。それに対して、デジタル楽曲ファイルは聞きたいと思ったらインターネット経由ですぐに入手可能で、なんらかの事情で配信停止にならない限りは品切れの心配もない。またこれは先の記事でも書いたが、現在J-Pop、クラシック、ジャズと様々なジャンルの新譜アルバムや、往年の名アルバムなど多くの音源がCDにかわって発売される、夢のような状況が眼前にあるのである。如何であったであろうか?ハイレゾの登場は音楽ファン、そしてオーディオファンにとってメリットが多く、より良い音楽リスニングへの追い風と言えるだろう。次回からはハイレゾとは何か?という解説や、本質的な良さなども合わせて説明させて頂きたい。
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