矢野経済研究所は、自動運転システムの世界市場の調査を実施。その結果を「自動運転システムの可能性と将来展望 2016」にまとめた。調査は自動車、カーエレクトロニクス、半導体、地図などの各メーカーを対象に、2016年9月~11月の期間、同社専門研究員による直接面談、電話・e-mailによるヒアリングならびに文献調査を併用して行った。調査結果によると、2015年から搭載されているレベル2(部分的自動運転)の自動運転システムは、高速道路の渋滞時自動追従と自動駐車機能を中心に搭載が進み、2020年の市場規模は509万5000台に増加すると予測。2020年以降はセンサのコストダウンが進むことから、ミドルクラスの車種においてレベル2の自動運転システムの普及拡大が進み、2025年の世界市場規模は2381万2000台に達すると予測している。レベル3(条件付自動運転)の自動運転システムは、日米欧の高速道路を中心に2020年から2021年にかけて主要自動車メーカーのフラッグシップモデルでの搭載が始まる予定で、ミドルクラスへの搭載も見込まれるため、2025年の世界市場規模は626万7100台を予測している。2025年以降については、レベル2の自動運転システムのコストダウンが進み、2030年にはレベル1(先進運転支援システム)の市場規模を超える2798万台を予測。レベル3についても高速道路限定のシステムがミドルクラスまで搭載が進むため、1786万7000台に拡大。レベル4(完全自動運転)については、商用車を中心に採用が進み、エリア限定の自動運転バスやタクシーでの移動が活発化するものと予測している。