トヨタ自動車は12月7日、オープンイノベーションブログラム「TOYOTA NEXT」を始めると発表した。これは社外の技術やアイデアを活用しようというもので、「クルマの利用促進サービス」など5つのテーマに事業案を公募し、共同で実用化する。「世の中の変化に伴い、自動車業界でも自動運転やAI(人工知能)技術、IOTの進展によって、車社会もこれまでとは桁違いのスピードと規模感で変化している。トヨタが80年続けてきたビジネスモデルがもはや通用しない時代に突入しつつある」と国内販売担当の村上秀一常務役員はその背景を説明する。しかし、国内外でいくらオープンイノベーションの取り組みが増えているといっても、トヨタまでやる必要があるのか。トヨタにはグローバルで約34万人の社員がおり、人材の宝庫と思われていた。ところが、そうではなかった。やることが決まって全社一丸になって取り組むのは得意だが、無から有を生み出すようなことは苦手な会社なのだ。「今のデジタル社会のなかでは、トヨタという会社はアベレージ以下だと思う」と村上常務役員は話し、「トヨタは創業以来の変革期を迎えている。今チャレンジしなければ、明るい未来を築くことができない」と強調する。そこで、外部の力を借りようというわけだが、果たしてうまくいくのだろうか。というのも、豊田章男社長が以前指摘していたように、グループ会社や取引などに対して「上から目線」の強い会社だからだ。それに対して、村上常務役員は「僕らはもっともっと学ばなければいけないと思っていますので、パートナーをリスペクトするという関係でこのプログラムを続けていきたいと考えている」と力説する。いずれにしても、2月20日に公募が締め切られ、7月に選定企業が決定して8月以降にサービスがスタートする。その時に、どんなサービスがどんな体制で進められるのか要注目だ。