ドライバーが自ら給油口にノズルを差し込み、ガソリンを入れられるセルフ給油所などで、最近「ガソリンの噴き出しに注意」「ノズルをしっかり奥まで差し込んで」という注意書きを見る。東京のGSスタッフは、「ガソリンを噴出させている旧車などをよく見かける」という。1991年製造のポンコツスポーツに乗る記者は、11月に入り2度、ガソリンを噴出させている。オートストップ機能が早いうちに効いてしまい、ノズルをやや抜き気味に差し込み、給油口に“飲み込みやすい角度”があることを過信していた。福島県のGSのスタッフは、「ミッドシップタイプのクルマは、給油口から給油タンクまで、縦に直線的に結ばれていることが多い。あまり欲張らないで、カチッと給油が切れたときでやめておいたほうがいい」と教えてくれた。給油施設の設計・施工を手がけるタツノは「オートストップ機能により自動的に給油が止まったら、それ以上の給油はしない」「継ぎ足し給油はオートストップ機能が効かずに吹きこぼれの原因」と伝えている。総務省消防庁も「給油ノズルを、止まるところまで確実に差し込む」「自動的に給油が止まったら、それ以上の給油はしない」と警告している。消防庁や全国石油商業組合連合会は「セルフ給油所における吹きこぼれの原因の推定」にて、噴出原因に「給油方法、注意事項についての周知不足」が97.6%、「給油ノズルと自動車の燃料タンクや給油口の形状等との関係」が79.5%と報告。その「周知不足」のうち、74.6%が「オートストップ後の継ぎ足し給油をしていた」という。26年前の高校時代、ガソリンスタンドでアルバイトのために、乙種4類危険物取扱者免状を取得したが、ガソリンの危険性についてなど忘れていた。前出のGSスタッフは、こぼれたガソリンを拭き取りながらこう伝えていた。「ガソリンの引火点は-40度から、発火点は300度からといわれている。セルフGS内は禁煙。クルマの給油口キャップを開ける前に静電気除去シートに触れて。冬はとくにしっかりと」