26日に鈴鹿でアンヴェールされたレクサスの来季GT500クラス参戦車『LC500』。開発を手がける永井洋治氏は、規則で速度抑制策が施されるなかでも、「速くするのが我々の仕事」と、規則のなかでLC500に最高のパフォーマンスを発揮させることを目指している。世界最速のハコ車レースとして、人気も競技レベルも向上著しい近年のSUPER GT。特にGT500クラスのスピードアップぶりは凄まじく、シリーズ主催団体のGTAは、来季で4年目を迎える“14年車両規定”に「25パーセントのダウンフォース削減」(坂東正明GTA代表)を含む速度抑制、安全性重視のマイナーチェンジを施す方針を定めた。それに向け、参戦3社中いち早く来季用マシンを発表したのがレクサスだ。午後のホームストレート上での撮影セッションに際しては、ホワイトボディも眩しいLC500に、鈴鹿1000km開幕前日の搬入作業で忙しいピットから自陣の、そしてライバル陣営の視線も時折注がれていた。もっとも、最近はF1もそうだが、発表時の仕様とレース本番時の仕様は“変化”するもの。空力開発の自由度が高いとはいえない14年規定とはいえ、最重要項目の手の内を最初から見せることはなく、そこはこれからまさに開発が本格化するところでもある。開発を指揮するトヨタテクノクラフト TRD開発部の永井洋治部長も「このカタチが最終ではないです」という。14年規定導入後は日産が2連覇中で、今季も開幕から負けなしの状態でここまで来ている。永井氏は「この規定は最初のマシンの出来が大事だと分かりました」と語り、「空力やクーリングを中心に、我々の(現行車『RC F』で)弱かったところをつぶしてきています」と、LC500での反撃を期す(もちろん今季逆転の可能性も残っているが)。レギュレーション的にダウンフォースが25%削減されれば、当たり前の話だがコーナリングスピードは落ち、ラップタイムも「相当遅くなります」(永井氏)。しかし、レースに携わる開発陣はそれを取り返そうと常に努力研鑽を重ねていくものである。「当然、速くするのが我々の仕事です。この鈴鹿での(何秒という)目標も持っていますが、その数値は今ここで言うとライバルや坂東さんを刺激することになるので言えません。相当な(ラップタイムの)回復をさせたいと思っています。開幕を楽しみにしていてください」と永井氏。規則で相当遅くなっても、相当な回復を。(規則内での)最高パフォーマンス発揮を目指し、いつものように永井氏は意気込んでいる。14年規定第2世代の戦いに来季17年から突入するGT500クラス。日産とホンダの来季マシンは今季最終のもてぎ大会(11月11~13日)で公開される予定となっているが、いずれにせよ3メーカーの17年車開発競争は今季を戦いつつ、水面下で既にヒートアップ中だ。
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