開催中の「ジャパンモビリティショー2025」で日野自動車など商用車メーカーの展示ブースには斬新なデザインの大型観光バスなどが異彩を放っているが、その高速バスなどの運行会社にとっての頭痛のタネは、顕在化する運転手の不足ばかりではないようだ。
きょうの日経が社会面のトップ記事として大きく取り上げているが、夜行などの高速バスで隣席に他の乗客が座らないよう、2席分予約して出発直前で1席をキャンセルする「相席ブロック」という悪しき行為が横行して、高速バス各社を悩ませているという。
記事によると、高速バスは新幹線や飛行機に比べて運賃が安く、近年の宿泊費の高騰も重なって人気を集める一方、長時間の移動になる路線も少なくないという。ただ、「隣に人がいると落ち着かない」「ゆったり過ごしたい」「寝顔を近くで見られたくない」といった心理から、「相席ブロック」という行為に及ぶそうだ。
高速バスには一般的な4列シートではなく隣席との間に通路があり、ゆったり座れる3列シートを導入する車両もあるが、台数は限られるうえ運賃も高くなるのが現状とされている。
国土交通省の標準運送約款は、高速バスのキャンセル料を「乗車日の12日前までは110円以内」と規定。9~11日前は最大で運賃の20%、2~8日前は30%で、乗車日が近づくほど上限が高くなり、発車予定時刻まで2時間になれば最大100%としている。ところが、予約はインターネットが主流で、出発直前でも利用者がスマートフォンからキャンセルできる場合が多く、取り消された座席は予約サイト上で「空席」と表示されるが、出発の時間が迫ると他の客が気づくのは難しい。
実質的に“安価で広い席を確保する裏技”のように悪用する人が増えており、本来なら乗車できた人が利用できず、バス会社は得られたはずの売り上げを逃すことにもなるという。このため、「運行各社は悪質な行為をしないよう呼びかけるとともに、抑止策としてキャンセル料を引き上げる動きも出てきた」(日経)とも伝えている。
2025年11月4日付
●17戦略分野、重点投資、首相きょう表明、AI・造船・防衛、担当閣僚指定 (読売・1面)
●企業献金4社が上限超え、23年、東京・栃木など、自民地方支部へ (東京・1面)
●1~3月増産停止、産油8か国が合意、原油相場の低下考慮 (東京・4面)
●バス・タクシー、自動運転30年度1万台、政府、国産支援へ目標 (日経・1面)
●ルノー、吉利から26%出資、ブラジル事業、寄端と南米で提携検討(日経・9面)
●特集・EV再成長構造変化に迫る (日経・21面)
●経済教室、温暖化対策の行方、脱炭素を日本の競争力源に、高村ゆかり・東京大学教授 (日経・25面)
●高速バス「相席ブロック」横行、当日空席で損失、悩む運行各社、キャンセル料上げ続々,2席予約、乗車直前に1席取り消し(日経・31面)

    
    
    
    
        
        
        
          
          
          
          
          
          
          