東海理化は10月2日、大型車のタイヤ脱落の予兆を検知するシステム『天護風雷(てんごふうらい)』が、国土交通省が実施する「大型車の車輪脱落事故防止(ハード対策)の実証調査」に採用された、と発表した。
また、採用に伴い、実証調査に協力する積雪地域のトラック事業者向けへの販売を開始する。
近年、大型車両のタイヤ脱落事故は依然として後を絶たず、2023年度には日本国内だけでも142件の車輪脱落事故が発生している。事故車両調査の結果、タイヤ脱着作業時に適切な点検・清掃、潤滑剤の塗布や劣化した部品の交換がされていない車両や、タイヤ脱着作業後の増し締めが実施されていない車両が散見される。
このたび採用された「天護風雷」は、東海理化の従来製品開発で培ったセンサー・通信技術を活かし、走行中でもタイヤを固定するナットの回転角をリアルタイムで検知することが可能だ。
これにより、ドライバーへ早い段階で車輪脱落の予兆を通知することができる。ドライバーの経験に頼ることなく、より正確に、且つ容易に車輪脱落の予兆を把握することができるため、ドライバーの負担軽減も見込まれる。
この製品は今後、トラックメーカーや運送会社など、トラックを取り扱う会社への提案を進めていく予定。東海理化は、協力企業として東海理化トランスポート、ヨコウン、トヨタ輸送、TGロジスティクスと共に、「天護風雷」の開発を進めてきた。