ENECHANGE(エネチェンジ)は9月12日、電力シェアリングおよびサイバー創研と共同で、環境省が推進する脱炭素社会実現を目指す新しい国民運動「デコ活」の一環として、EVの昼時間帯での充電を促す社会実証実験を開始した。
今回の実証実験は2度目であり、日中時間帯に多く発生する再生可能エネルギー(再エネ)の余剰電力をEVの「昼充電」に利用し、同時間帯に発電された再エネを同時同量でEVの充電に用いるアワリーマッチングの考え方を適用する。
ENECHANGEは、再エネ供給のオペレーション業務を一元的に管理することで事業者の業務負荷を低減する電力会社向けの環境価値管理SaaSサービス「eValue Platform」を通じて、24/7カーボンフリー電力の活用を推進している。
2050年カーボンニュートラル実現には、再エネの普及やデマンドレスポンスによる需要の柔軟な電力調整が重要。再エネはCO2を発生しないクリーンなエネルギー源として注目されているが、発電量が天候や季節に左右されるため、需要に合わせた供給が難しいという課題がある。再エネの導入が進む中、晴天時に太陽光発電が増え、発電量が消費量を上回ると予想される場合、送配電会社が管内の再エネ事業者に発電を抑制するように求める「出力抑制」も行われている。
今後、再エネを有効活用する策としては、電力多消費機器の使用時間を昼間にシフトすることや、電力会社への売電、蓄電、EVに活用するといった方法が期待されている。EVの「昼充電」は、EVの充電タイミングを現在標準的な夜間の充電から、再エネ比率が比較的高い昼間の時間内での充電を促す取り組みであり、EV化による環境貢献を最大限享受する充電スタイルとなる。これにより、電力系統の脱炭素化や需給がひっ迫している時間帯からの充電時間のシフトが可能となり、電力供給の安定性向上に寄与する。
本実証実験では、日中時間帯に発生した再エネ余剰電力を昼間にシフトされたEV充電に利用し、同時間帯に発電された再エネを同時同量で用いるアワリーマッチングの考え方を適用する。ENECHANGEが運営する「エネチェンジEVサポーターズ」に登録している100名を対象に、実証期間内の指定時間帯でのEV充電を促し、実験から得られた充電データを収集・分析することで、CO2削減に向けた今後の効果的な取り組み手法を模索する。
この実証実験は、EVを活用した脱炭素社会を推進するサービス開発のみならず、新たな電力料金の開発提案や行動変容DR等のサービスの開発も含め、EVとEV充電インフラの更なる普及とグリーン・トランスフォーメーション(GX)の実現に向けて意義がある事業、としている。