「トヨタ不正止まらず」(読売)や「トヨタ『不正ない』一転、国交省の検査で判明」(朝日)、「『ない』はずの不正発覚」(東京)など、いずれのタイトルから察してみても、驕りと管理体制の甘さが問われるばかりか、さらに信頼低下につながる可能性がある。
自動車の型式指定を巡る認証不正問題で、国土交通省が、トヨタ自動車へ道路運送車両法に基づく是正命令を出した。トヨタへの是正命令は初めてだそうが、これまで自社の調査結果では「新たな不正はない」と胸を張って発表していたものの、国交省の立ち入り検査で新たに7車種の不正が判明し、既に公表していた分を含め不正は計14車種に広がったという。
新たに不正が確認されたのは、生産中の4車種『RAV4』、『ノア/ヴォクシー』、『ハリアー』、レクサス『LM』と、過去に生産していた3車種『プリウスα』、『カムリ』、レクサス『RX』。認証試験の際、正しい手順とは異なる仕様のハンドルやドアフレームなどを用いたり、試験での速度を書き換えたりといった不正が判明したという。
ただ、トヨタは、この7車種について安全性を確認しており、「使用を続けても問題ない」としている。国交省はノア/ヴォクシーについて出荷停止を指示したが、基準に適合していることを確認したとして指示を解除。他の6車種は英国とベルギーで認証を受けているため、両国の当局に確認を要請しているという。
今回、自社の内部調査では見つけられず、国交省の調査で新たな不正が発覚したトヨタだが、きょうの各紙も冒頭のタイトルのように「不正を自浄できない企業体質の改善が求められる」(読売)、「日本を代表する企業の信頼が揺らいでいる」、「不正の連鎖による信頼低下は避けられそうにない」(東京)などと指摘。
毎日は「トヨタはこれまで掲げた開発体制の見直しとともに生産再開への取り組みを急ぐ考えで、業績や顧客への影響をどこまで小さくできるかが鍵になる」とも伝えている。
2024年8月1日付
●日銀利上げ0.25%に、国債購入半減3兆円、決定会合、円一時149円台 (読売・1面)
●トヨタ不正新たに7車種、型式指定、国交省是正命令(読売・1面)
●対中国EV関税、米引き上げ延期 (毎日・7面)
●IHI除雪車も不正、07~17年、1239台、性能試験で (毎日・21面)
●レベル4自動運転、首相アクセル (産経・5面)
●トヨタ、プリウス9835台リコール、日野は3万5757台届け出 (産経・22面)
●リチウムイオン電池火災多発、バッテリーやスマホ、過去最悪ペース(東京・15面)
●リニア全線開業「37年」堅持、首相が旗振り、知事らと視察 (日経・4面)
●部品価格に労務費上乗せ、トヨタ、下期も継続 (日経・13面)
●中国車の輸出、世界首位、1~6月2年連続、日本とは78万台差 (日経・15面)
●トヨタ系4社最終減益、デンソーなど今期下振れ、4~6月 (日経・19面)
●自動車株、苦境はBYD発、中国で続く消耗戦懸念 (日経・21面)