今では懐かしい銘柄のひとつでもある日産『ローレル』。その中でも今から40年前の1984年に登場した5代目(C32型)は、いかにもこの時代のハイオーナーカーらしく仕立てられた高級車だった。キャッチコピーは“ビバリーヒルズの共感ローレル”。
ボディタイプは4ドアハードトップと4ドアセダンの2タイプ。特徴的だったのは4代目から一転した直線的なスタイリングに改められたこと。同世代の7代目『スカイライン』も直線的だったが、ローレルではさらに立派な構えのメッキのフロントグリルを採用するなどし、存在感を主張した。セダンの顔まわりはハードトップよりは控えめながら、テールランプはハードトップ同様に幅広なデザインを採用した。
インテリアもゴージャスな雰囲気。臙脂の内装色はこの時代の上級車がしばしば採用したもの。装備も充実しており、50~100km/hで望みの車速を維持しておけるリジュームアクセラレート付きオートスピードコントロールやマイコンパワーシートなどを用意。また世界初を謳う電動格納式カラードドアミラー、とオートリフレックスルームミラー、日本初のヘッドランプレベライザーなども設定された。
エンジンには新世代のV6ターボのVG20E・T型、直6のRB20E型を設定し、これらにはパワーとエコノミーを自動で切り替えるスーパートルコンも採用。ほかに4気筒・1.8リットル(CA18S型)、6気筒・2.8リットルディーゼル(LD28型)も設定された。サスペンションはフロントがストラット、リヤがセミトレーリング式の独立(または車軸式5リンク)を採用。ステアリングはラック&ピニオン式。