テスラ『サイバートラック』が2月15日、日本でもお披露目された。国内での発売は未定だが、EVニーズが決して高くない日本においてテスラが日本でもプロモーションを行なったことが気になる。可能性は低いかもしれないが、仮に日本で発売されたらどんな条件になるのだろうか。
まず、型式指定の取得はかなり困難とみられる。そもそも台数が裁ける車両ではないので、年間2000台以下という輸入車の特例措置(PHP)でナンバーを取得するほうが合理的だ。
全長は約5.7m。全幅約2.4m。全高約1.8m。かなり大型の車両となる。車両重量はおそらく3トン以上になる。積載量は約1トンというので、このままでは小型トラックの1ナンバーの規定でないと収まらない。この場合、貨物トラック扱いとなり自動車税額は乗用車より安くなるが、車検が1年ごとになる。ただ、「ランクル」や4ナンバーの小型貨物を運用している個人もいる。サイバートラックを所有したい人にとって、それほど障害にならない可能性はある。
もし総重量が3.5トン以下ならば、普通免許で運転することができる。4WDの「サイバービースト」仕様で約3800パウンドというデータがある。換算すると3トンちょっとなので、国内仕様や登録するための装備でよほど重量が増えなければ普通免許でOKの可能性はある。準中型、中型免許があれば心配はないだろう。古い免許区分で普通免許を取得した人は、自動的に8トンまでの中型トラックを運転できる人もいる。バイワイヤーの後輪操舵が日本の道でも運転しやすくしてくれる可能性もある。
なお、サイズや重量の数値は、北米仕様の数値をもとにしている。本当に国内でナンバー登録される場合の数値は不明だ。
問題になりそうなのは対歩行者の保護性能だ。銃撃にも耐えるウルトラハードステンレススチール、防弾ガラスは衝突時に歩行者を保護するには、最低でもアクティブボンネットなどの装備が必要だろう。これも型式指定をとらなければ、ナンバー登録そのものが不可能とは言い切れない。
EVなど要らない、サイバートラックのような車は日本では実用的ではない、という意見もあるかもしれない。だが、ランクルや小型トラックベースのキャンピングカーのニーズがあるなら、航続距離が700km以上あり、積載量が1トンあり、AC120V、220Vのアウトレットもついている、最大牽引力は4トン以上あるピックアップトラックを否定する理由はおそらくない。