国からの聴聞を「欠席」した最近の例といえば、あの自動車保険の不正請求問題が発覚した中古車販売大手のビッグモーターが思い浮かぶ。
今回は国土交通省が、自動車の大量生産に必要な「型式指定」の認証申請を巡り悪質な不正が明らかになった、トヨタ自動車の完全子会社のダイハツ工業に対して、道路運送車両法に基づきトラック3車種の指定を取り消す行政処分案について意見を聞く「聴聞」の手続きを実施したところ、ダイハツ側は出席せず「意見はございません」との陳述書を提出したという。
◆ダイハツが生産再開検討
処分が近く確定するが、ダイハツはホームページで「社会インフラに関わる立場でありながら不正行為をしてきたことを大変重く受け止めている」とのコメントを発表。大阪など3府県の工場で1月末までとしていた工場停止を2月16日まで延長し、京都工場では一部生産の再開を検討していることも明らかにした。
きょうの各紙にも「ダイハツ生産再開検討」などと、まるで「禊は済んだ」ような見出しで報じているが、このうち、読売は経済面のトップ記事で掲載。「出荷停止の指示が解除された2車種で先行して再開を模索する」としている。
◆トヨタ自動車東日本でも生産を停止
ただ、読売の同じ紙面には「トヨタ自動車は、生産子会社のトヨタ自動車東日本の2工場3ラインを1月19日から停止している」と伝えている。停止しているのは、トヨタ東日本の岩手工場(岩手県金ヶ崎町)の2ラインと、宮城大衡工場(宮城県大衡村)の1ラインで、両工場では小型車『ヤリス』や小型ミニバン『シエンタ』などを生産している。
理由は「一部の生産工程の確認作業のため」としており、24日まで停止を継続。25日以降の稼働については「24日午後にも判断する」としている。
そんな中で、 1月23日の東京株式市場で、トヨタ自動車の株式時価総額(終値)が48兆7981億円となり、日本企業で史上最大となったそうだ。NTTがバブル期の1987年に記録した時価総額を約37年ぶりに上回ったという。
もっとも、世界の時価総額では、マイクロソフトやアップルなど米IT大手が軒並み上位を占め、トヨタは28位にようやく顔をのぞかせたが、自動車メーカーでは4年連続「世界一」で胸を張っていられても、「上には上がある」ものである。
2024年1月24日付
●新幹線停電で運休、東北・上越・北陸、架線150メートル垂れる(読売・1面)
●ダイハツ、生産再開検討、生産停止解除の2車種、京都工場、来月中旬にも(読売・8面)
●トヨタ子会社、2工場停止(読売・8面
●トヨタ時価総額48兆7981億円、日本企業歴代最高バブル期のNTT超す(朝日・7面)
●マツダ労組、1万6000円要求へ(毎日・6面)
●能登空港復旧27日運航(産経・1面)
●型式指定取り消し確定へ、ダイハツ、国の「聴聞」欠席(東京・6面)
●損保ジャパン週内に改善命令、金融庁、桜田CEOは3月退任(東京・6面)
●ブリヂストン、3年で8000億円投資、高機能タイヤに資源集中(日経・17面)