SUBARU(スバル)は1月12日、トヨタ自動車の関連会社KINTOと業務提携し、新車のサブスクリプションサービスを開始すると発表した。開始時期は2024年初夏からで、KINTOのプラットフォームを活用し、「KINTO ONE(SUBARU)」という名称で行う。
「まず新サービスを開始する背景について、お客さまとのつながりを続けられるような売り方をしていきたい、スバルのクルマをもっと手頃な価格で提供したい、という思いがあった。また、市場の多様化、お客さまの購買行動の多様化を受けて、新しいクルマの売り方にチャレンジしていきたいという思いもあった」とサブスクを担当する販売促進部の西久保真一郎氏は話す。
そこで、2021年に中古車のサブスクサービスを開始し、新車でもそれを行おうと考えていた。ところが、いざ中古車でサブスクを始めてみると、時間の問題、システムを構築・維持するための費用、認知度などいろいろな壁にぶち当たり、関係の深いKINTOに相談した。
その相談はKINTOにとっても、渡りに船だった。KINTOは2019年1月、トヨタ自動車の100子会社であるトヨタファイナンシャルサービスと住友三井オートサービスが出資してできた会社で、主にトヨタ車やレクサス車のサブスクを行っている。しかし、会社のモットーである魅力あるモビリティサービスを提供するためには、さまざまなメーカーのクルマを扱いたいという思いが設立当初から強かったからだ。
話はとんとん拍子に進み、2023年7月に両社は業務提携を結び、サービス開始に向けて準備を進めてきた。そして、1月12日発表するに至ったわけだ。
KINTO ONE(SUBARU)では、契約期間が3年、5年、7年から選ぶことができ、任意保険や自動車税、登録諸費用、車両の定期メンテナンス、車検などがパッケージされた月々定額サービスとなっている。車種や料金については今のところ未定だが、複数の車種を予定しており、料金についても魅力的なものにしていくそうだ。申し込み方法については、全国のスバル販売店とKINTOのウェブサイトからとなっている。
「メインターゲットは若い若年層の方を中心として、クルマを1台丸々買い切る、所有するということに障壁を感じやすいお客さま、初めてクルマを買われるお客さまに置いている。それから、30、40代も子供ができたりなどライフスタイルの変化でクルマを持ちたいと思ったときに、同じような課題や悩みを持つ人もいると思うので、こういったお客さまにコミコミのわかりやすいクルマの買い方というのと提案していきたい」と西久保氏は説明し、今回のサブスクにはアイサイトなどスバル車の安全性を広く知ってもらいたいという思いもあるそうだ。
一方、KINTOでは、「今回、さまざまなメーカーのクルマを扱う第1歩が実現することになったのですが、これから先、KINTOのプラットフォーム上で今までとは違う新しいお客さまとの出会いもあると楽しみにしている」(総合企画部)とのことだ。