「高性能なナビ機能を誰でも簡単に」そんなコンセプトで1998年に登場したカロッツェリア『楽ナビ』が、誕生5周年を迎え、その記念イベントが東京・二子玉川にある「蔦谷家電」で10月5~8日に開催された。同時に会場では2023年秋の新商品も披露された。
◆「高性能なナビ機能を誰でも簡単に」楽ナビの25年の歴史を振り返る
楽ナビが登場したのは1998年のこと。すでにカーナビはドライブに欠かせない人気アイテムとして成長していたが、一方で使いこなすのが難しいと考えるユーザーも少なくなかった。楽ナビはそんなユーザー層をターゲットに、「高性能なナビ機能を誰でも簡単に」とのコンセプトで登場したのだ。
そのポイントは、「タクシーに乗る時のように行き先を音声で伝える」ことにあった。
今でこそスマホを使えば目的地を音声で入力すれば一発で対象施設が見つかるが、それまでのカーナビは、メニューを開いてカテゴリー分けされたリストから対象を絞り込んでいかなければならなかった。その操作が多くの人に扱いにくさを感じさせていたのだ。
そんな中で98年に登場した楽ナビは、付属リモコンにある「発話」ボタンを押すことで、候補を絞り込んで目的地として設定できた。つまり、スマホもないこの時代に楽ナビは、それをいち早く実現するカーナビに取り入れたのだ。
それから25年、楽ナビはそのコンセプトを継承しつつも、時代に合わせた最適なモデルへと発展してきた。中でもインターフェイスやルート案内のわかりやすさは今もなお高く評価されている。それだけに『楽ナビ』を指名買いをする人が後を絶たず、長い期間にわたってトップの座に君臨し続けてきたのもこうした理由があったからだ。会場ではそうした楽ナビが築き上げてきた25年間の歴史を、実機を交えながら見ることができる。
その他、大画面化やフローティング化した最新の楽ナビを一堂に集め、そこでは取付例としてスズキ「ジムニーシエラ」や、日産「SAKURA」を出展。楽ナビならではの使い勝手の良さを実際に操作して確認することができる。
◆2023年秋のカロッツェリア最新モデルのラインナップも一堂に展示
この25周年イベントでは、楽ナビ以外にも、10月5日に発表されたばかりのカロッツェリアの最新モデルもいち早く展示した。
【サイバーナビ】
その一つがカロッツェリアのフラッグシップナビ『サイバーナビ』の最新モデルだ。外観こそ従来モデルを踏襲しているが、注目すべきはその中身。カーエンターテイメントの要とも言える高音質化をさらに強化しているのだ。そこで目指すのは“原音再生”であり、それを支える設計思想が「マスターサウンド・アーキテクチャー」である。
ハイレゾ音源が持つハイクォリティをそのまま再生するために最適かつ厳選されたパーツをセレクト。デジタル信号処理部には高精度なクロック波形を生成できる新「サウンドマスタークロック」と高音質オペアンプを搭載し、その上で、熟練の開発者が幾度も試聴を繰り返し、納得いくまでチューニングした。これにより、アーティストの息づかいやステージの空気感など微細なニュアンスまで余すことなく再現できるようになったという。
会場では試聴までは叶わないが、その高音質化の“立役者”ともなった高音質パーツを組み込んだ基盤を直に見ることができる。この開発に携わったパイオニア株式会社 技術開発本部 技術統括G 第1ハード設計部3課の松永 祥太氏によれば、「その音の違いは、たとえ純正スピーカーとの組み合わせでもハッキリと違いがわかるレベル」に仕上がっているそうだ。
そして、これまでのサイバーナビが実現してきたネットワーク機能も強化されている。それは目的地のフリーワード検索で、新たに住所や電話番号、郵便番号の音声入力に対しても対応できるようになった。しかも発話パターンや検索ワードを増やしたことで、使い勝手を高めたことも見逃せないポイントとなる。
【「アドベンチャー」シリーズ】
2023年秋モデルではオーディオ系の新モデルも数多く投入されている。
その中で目を引いたのが、アウトドアレジャーをライフスタイルとして楽しむ人たちに向けた「アドベンチャーシリーズ」だ。パワードサブウーファーやツィーター、サテライトスピーカーの3つで、いずれもアースカラーとなるライトベージュカラーを採用しており、どんなクルマにもマッチしそうな雰囲気だ。
このカラーリングを採用したことについて、東北パイオニア 事業企画部 市販企画課の松下 寛氏は、「男女のいずれからも好まれるようなジェンダーレスを意識した。荷物の積み下ろしなどでも傷つきにくいストーン調塗装としている点にもこだわった」とした。
【90系ノア/ヴォクシー/ランディ専用スピーカー】
最近、ドアスピーカーの交換が難しくなっているトヨタ車において、90系トヨタ『ノア/ヴォクシー』/スズキ『ランディ』専用に開発されたのがこのダッシュボードスピーカーだ。スピーカー本体とツィーター部に角度を付けることでフロントガラスへの反射を低減し、乗員にダイレクトに音を伝えられるように工夫したことで明瞭感のあるサウンドが楽しめる。
また、音の回り込みを防ぐ効果を発揮しつつ、豊かな中低域再生とクリアな高域再生を可能とする「フレア形状グリルフレーム」を採用。配線加工や特別な工具も必要なく、簡単に問い付けられる魅力もある。
【ボックススピーカー「TS-X170」/「TS-X210」】
ひと頃は一世を風靡したボックススピーカーだが、パイオニアによればその人気は今も根強く続いているのだという。TS-X170はコンパクトな密閉型スピーカーで、重量が軽いこともあって後方視界を妨げることなくリアトレイに設置できる。一方のTS-X210はバスレフ機構を備えることで、より重低音再生を重視したモデル。サイズは少し大きくなるが、その分だけサウンドにも期待が持てるわけで、ワンボックスカーなどへの装着にもマッチしそうだ。
新製品コーナーには、他にも「パイオニアグローバルシリーズ」として、海外で展開されているスピーカーや、パイオニア初となるナビアプリ「COCCHi(コッチ)」の展示もあった。