軽自動車に大荷物を積んで愛犬とドライブ旅行へ出かけられるかを検証!【青山尚暉のわんダフルカーライフ】 | CAR CARE PLUS

軽自動車に大荷物を積んで愛犬とドライブ旅行へ出かけられるかを検証!【青山尚暉のわんダフルカーライフ】

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三菱 デリカミニ
  • 三菱 デリカミニ
  • 愛犬との旅行に大荷物はつきもの
  • ジャックラッセルのララ
  • ペットカートも視野に入れたい
  • コムペット フィカゴー フリッタプラス
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  • スズキ ソリオ
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◆愛犬とのドライブで大荷物は悩みのタネ

この夏、愛犬とドライブ旅行に出掛けたり、帰省する愛犬家も多いはず。愛犬同伴だと荷物が増えがちで、例えば夏、愛犬が熱い路面を歩かずに済むペットカートまで持参となると、さらに車内は荷物だらけになってしまう。

例えば、夫婦2人+子供と愛犬の荷物として、家族用の機内持ち込みサイズのハードファスナーキャリーケース33リットル2個(高さ540×幅365×奥行230mm)、犬の身の回り品を入れるソフトバッグ、そして、軽井沢や木更津などにある大型ショッピングセンター(アウトレット)のハイブランド店にもペット同伴で入店可能になる(すべてのお店に入れるわけではないが)ペットカートなどをラゲッジルームに積み込むとする。

乗車フォーメーションは前席に夫婦、後席片側に子供、その横に愛犬ということになるのが一般的だ。愛犬は、わが家が今使っているフィカゴーフリッタプラスのようなキャビンが外せて車体本体と2分割できるタイプのペットカートのキャビンを後席に設置して乗車させると、ペットカートの積載スペースを分散できるとともに、安心安全である(キャビンに飛び出し防止のリードも付いている)。

わが家の場合、上記の荷物も、普段使っている愛車のコンパクトステーションワゴンなら無理なく積み込むことができるし、ホンダ『フィット』やスズキ『ソリオ』などのシートアレンジ性と荷物の積載性に優れたコンパクトカーでもまったく問題ないはずだ。

では、軽自動車ならどうだろう。そんな疑問の検証が、今回の「わんダフルカーライフ」のテーマである。大人2人+子供1人の乗車に加え、上記の荷物のすべてなど積めるはずもない? と決めつけたくもなるのだが、それは早合点。軽自動車といっても様々な種類があり、とくに2列シートミニバン、あるいはプチバンとも呼べる、背が高く広大な室内空間を持つ、両側スライドドアを備えたスーパーハイト系軽自動車なら、上記の家族と愛犬の乗車と荷物の積載もなんとかなりそうだと予想した。

◆軽自動車って実際どうなの?

そこで、実際にこの夏、一例として、最新のクロスオーバースーパーハイト系軽自動車、「デリ丸」という犬らしき!? キャラクターも大人気の三菱『デリカミニ』に乗って、宿泊を伴う愛犬同伴のドライブ旅行に出掛けてみることにした。デリカミニの顔つきはかなり犬っぽく、愛犬家と愛犬にぴったりな1台とも思えたりする。

最初に結論を言ってしまえば、デリカミニのような、いくつかの“ポイント”を押さえた軽自動車なら、家族3人+愛犬(ここでは小型犬1頭)+大荷物でも、まったく問題なく、真夏の暑さの中、ロングドライブを快適に楽しめることが判明したのである。以下、“ポイント”を挙げていくことにしたい。

1.ターボエンジンモデルなら家族+愛犬+大荷物でもストレスなし

家族3人+愛犬+大荷物の高速走行を伴うロングドライブでは、ターボモデルの動力性能、巡行時の静かさが快適さや運転疲労の少なさに直結する。実際デリカミニは、高いボディ剛性、軽自動車最大サイズの専用タイヤや専用サスペンションによって乗り心地は文句なく、ターボエンジン+CVTのマッチングの良さから、高速走行も無理なくこなす。巡行時はターボエンジンの場合、回転数が低く保たれ、車内は軽自動車らしからぬ静かさを発揮してくれたのである。犬は聴覚に優れていると言われているが、やはり、静かに走るクルマのほうがストレスを与えない。そしてデリカミニの4WDモデルのようなオールラウンダーな軽自動車なら、ちょっとした悪路や雪道にも強く、路面を問わない安心感がある。

2.愛犬が乗車する後席の空調環境に注目

犬は1年中、毛皮を着ていて、足の裏からしか発汗できない生き物であり、多くの場合、暑がりである。犬は後席エアコン吹き出し口のある、夏の暑さの中でも後席で快適に過ごせる空調環境に優れたクルマの後席に乗車させるのが理想的だが、さすがに、軽自動車に後席エアコン、その吹き出し口など付いているはずもない。が、スーパーハイト系軽自動車のほとんどには、スライドドア部分=後席部分のサイドウィンドウに直射日光を和らげ、室内温度上昇抑制に効果があるロールサンシェードが付いていることが多く、クルマのドッグフレンドリーポイントのひとつとなりえる。

さらに、デリカミニ、日産『ルークス』、スズキ『スペーシア』などには軽自動車らしからぬ豪華装備の天井サーキュレーターが用意されている。サーキュレーター前方から、エアコンの冷たい冷気を取り込み、サーキュレーター後方からそれを拡散。後席エアコン吹き出し口に準じた後席冷房効果が期待できるのである。後席エアコン吹き出し口がなくても、天井サーキュレーター装着車なら、暑さの中のドライブでも、愛犬はより快適に涼しく、後席に乗車していられるというわけだ。

3.大荷物の積載は後席スライド機構が決め手になる

では、実際に、先に説明したわが家の宿泊を伴う愛犬同伴のドライブ旅行の荷物を、デリカミニのラゲッジルームに積み込んでみることにしたのだが、その前にデリカミニのラゲッジルームの寸法を紹介しておきたい(デリカミニの前身である三菱ekクロススペース、日産ルークスも同一)。荷物の積載性に大きくかかわる奥行は290mm~。幅885mm。天井高1070mm~となる。もちろん、スライドする後席が最後端位置、奥行290mmの状態では、今回の荷物など積み込めるはずもない。

しかし、クラス最大の320mmものスライド量を持つデリカミニの後席を最前端位置にセットすると、ラゲッジルームの奥行は実測660mmまで拡大(メーカー値は675mm)。機内持ち込みサイズのハードファスナーキャリーケース33リットル2個(高さ540×幅365×奥行230mm)、ララ用ソフトバッグ、そして畳んだペットカートの車体本体を余裕で飲み込む広さに大変身。まさに驚きのシートアレンジというか、ラゲッジルームの拡大アレンジなのである(ペットカートのキャビンは後席片側に設置した)。同時に、後席を最前端までスライドさせると、前席との隙間が縮まり、フロアに落ちにくいことも判明している!

4.軽自動車のドライブ旅行にペットカートを持っていくならキャビンと車体が分離できるタイプが乗せやすい

今回、三菱デリカミニに積んだペットカートは、繰り返すが、キャビンと車体本体が分離できるタイプ。ロングタイプのキャビンとなるフィカゴーフリッタプラスの車体本体の折り畳みサイズは高さ555mm、幅530mm、奥行き330mmとかなりコンパクト(同種の高級ペットカートに比べて)。畳んで縦置きすることで、その横にキャリーケース2個+愛犬の荷物を置くことができたのである。さらに多くの荷物を天井近くまで積み重ねたとしても、デリカミニなどにはデジタルルームミラーが用意されているから、後方視界はまったく遮られない(車体後部外側のカメラ画像のため)のである。

しかしながら、軽量コンパクトさが魅力の一体式ペットカートだと、折りたたんだ時の高さ方向が多くの場合、1000mm以上あるため、ラゲッジルームの横幅が狭い(スーパーハイト系軽自動車では875~900mm)軽自動車のラゲッジルームに積み込むことは難しい。ちなみにペットカートやベビーカートは、ラゲッジルームに真横に積み込むのが基本。斜めにしか積み込めないとすると、カートの上に重い荷物を置くわけにもいかず、積載効率が著しく悪化してしまうのである(荷物の上にペットカートを乗せると、荷物をキズ付けかねないので、こちらもNG)。

ところが、一体式ペットカートの横置き積載をデリカミニでトライしてみると、後席を最前端位置にセットすれば、ラゲッジルーム左側面に予期しない凹み部分ができ、通常のラゲッジルームの手前側(幅885mm)には横置きできなかった、愛用のコムペットのミリミリライトアルファEGロング(一体で畳んだ時の寸法が、幅390mm、奥行き260高さmm、高さ1005mm)といった、一体型のペットカートの引手部分が見事にホイールハウスを避けた凹み部分にはまり、ピタリと横置きできたのである(走行中、グラグラしないメリットもある)。意図したものではないはずだが、これは一体型ペットカートを車載する愛犬家には嬉しい検証結果と言えるだろう(すべての一体型ペットカートが横置きできるとは限らない)。

というわけで、軽自動車でも動力性能に余裕があり、快適で静かに走れるスーパーハイト系軽自動車のターボモデル、それも、愛犬が乗車する後席の空調環境に優れた天井サーキュレーター付きかつ、後席スライド量が大きい、一例として、機内持ち込みサイズのキャリーケースの最大長(高さ)=540mm程度が無理なく積めるラゲッジルームの最大奥行にも余裕がある軽自動車を選べば、最大家族3人+愛犬+大荷物の宿泊を伴うドライブ旅行もまったく問題なくこなしてくれることを、今回、“理想的な軽ドッグフレンドリーカー”として認定したデリカミニで実証できたのだ。

もっとも、家族2人+愛犬なら、後席を片側格納することでラゲッジルームの奥行をかせぐことができるから、荷物の積載性は一気にアップ。ラゲッジルームの最大奥行が540mmに満たない軽自動車でも、大型犬を含む愛犬を後席に乗せた上で、工夫次第で大荷物もなんなく積み込めるはずである。軽自動車、とくにスーパーハイト系、ハイト系軽自動車の荷物の積載力を侮ってはいけない…という喜ばしい結論となった。

《青山尚暉》

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