高速道路を運営するNEXCOの3社は、高速道路が大幅に劣化している箇所を対象に約1兆円の追加費用が必要になるとの試算を発表した。
NEXCO東日本、NEXCO中日本、NEXCO西日本の3社は、高速道路資産の長期保全、更新のあり方に関する技術検討委員会を、2012年11月に設置し、更新事業の必要性、対策について検討し、2014年1月に提言をまとめた。これを受けて更新計画を策定し、事業に着手している。
その後、定期点検や変状箇所での点検技術の高度化を踏まえた詳細な調査を実施し、新たな劣化事象や劣化の進行が確認された。同委員会は劣化メカニズムの解明や更新の必要性について審議、今回、これまでの審議内容をとりまとめた「中間とりまとめ」が提出された。
これを受けて大幅な劣化が確認された西湘バイパスや関越自動車道など、新たに更新が必要な箇所が延長約500km、上下線で延べ約960kmが判明し、対策として約1兆円の更新事業が必要なことが判明したとしている。3社はこれまで高速道路の補修費が4兆円必要としていたことから、合計5兆円が必要になる。
政府は高速道路の補修費用を確保するため、利用料金を徴収する期間を最長で50年間延長して2115年までとする法案を国会に提出する予定だ。