ドラレコは、ここ数年で搭載率が一気に高まった。特にあおり運転が社会問題化した以降は、普及がさらに加速した。そしてそれに呼応して、高性能化も進んいる。前後2カメラタイプが主流となり、ハイスペック化も進行した。
結果、「どこまでの性能が確保されたモデルを買うべきか」、ここのところが迷いどころともなっている。
スペック的に悩みどころとなるのは、まずは「画質」だ。ちなみに、ドラレコの画質の高さを決める要素は2つある。1つはドラレコが映像を取り込むときのクオリティで、もう1つはドラレコが映像を出力するときのクオリティだ。
ドラレコが映像を取り込むときのクオリティに関しては、CMOSセンサーの質がカギとなる。ちなみに今は、ソニー製の『STARVIS』が使われているモデルが多い。これならば、暗いところでも鮮明な映像を取り込める。実をいうとこれ以外にも高性能なCMOSセンサーは存在する。なのでこれでなければダメということはないのだが、ひとまずは『STARVIS』が採用されていれば間違いはない。
次いでは、映像を出力するときのクオリティについて説明しよう。なおこれは、解像度を示すスペックを見れば判断できる。しかし、解像度についての言い方はさまざまあるからややこしい。
ちなみに、解像度の言い表し方のあらましは以下のとおりだ。
ハイビジョン=HD
1280×720=約100万画素=1M(メガ)
フルハイビジョン=フルHD
1920×1080=約200万画素=2M(メガ)
2304×1296=約300万画素=3M(メガ)
さて、どこまでのスペックが必要なのかというと、一般的にはフルハイビジョンが推奨されることが多い。そうであれば、通常の車間距離で前後のクルマのナンバープレートも記録できるとされている。もちろん、撮影コンディションによっても結果が変わるので一概に言えない部分もあるが、ここまでのスペックが確保されていれば、理論的には問題はないはずだ。
そしてもう1つ、チェックしたいポイントがある。それは「HDR(ハイダイナミックレンジ)」もしくは「WDR(ワイドダイナミックレンジ)」を搭載しているか否かだ。
なおこれらはともに、急に明るくなったときに映像が白っぽくなる白飛びや急に暗くなったときに映像が黒っぽくなる黒つぶれを防ぐ機能だ。
さて、この2つの違いは何で、どちらが良いのかと言うと……。
違いは次のとおりだ。「HDR」はソフトウェアにて処理する機能で、「WDR」はレンズにて物理的に処理する機能だ。で、白飛びや黒つぶれを抑える効果が比較的に大きいのは前者だ。しかしデータは重くなる。対して「WDR」はデータは比較的に軽く全体的な画質では分がある。
ただし、「WDR」を「HDR」と呼んでいるメーカーもあるので、実のところはどちらなのかを知るのは難しい。なので「どちらも同じ」と解釈するしかないというのが実情だ。しかし本当のところは違うということは、頭に入れておいても損はない。
今回は以上だ。次回もカーエレ機器に関するスペックの話をお伝えする予定だ。お楽しみに。