NEXCO西日本(西日本高速道路)は、災害時における24時間以内の緊急車両の通行帯確保の実現を目的として、陸上自衛隊中部方面隊との連携に関する実施協定に基づき、中部方面隊が管理するヘリコプターから伝送されるリアルタイム映像の相互確認訓練を実施した。
訓練は12月8日に実施され、NEXCO西日本が12月27日に概要を発表した。
訓練では、高速道路の被災箇所・規模を上空からリアルタイムで概括的に把握するとともに、道路管理者としての情報収集のニーズ等について中部方面隊と相互確認を行なった。速やかに復旧資機材を確保することで“災害時における24時間以内の緊急通行車両の通行帯確保”を実現することが目的。
訓練では、中部方面隊が管理するヘリコプターから伝送されるリアルタイム映像を相互に確認した。ヘリコプターは、八尾駐屯地(大阪府八尾市)発→近畿自動車道→阪和自動車道の飛行ルートからリアルタイムで映像を配信、西日本高速道路本社(大阪市北区)防災対策室で、やはりリアルタイムで映像を受信した。
訓練のポイントは、(1)橋梁、のり面、休憩施設等の対象スポット(チェックポイント)を予め選定し、中部方面隊が管理するヘリコプターから伝送されるリアルタイム映像をもとに、該当箇所の状況を正確に把握すること、(2)有事の際における道路管理者としての情報収集ニーズなどについて、中部方面隊と共通認識を持ち、相互連携を深めること、の2点だ。
NEXCO西日本は訓練の所感として、映像の鮮明度や道路構造物の損傷状況等がどれくらいの精度で確認できるのかといったレベル感を実感することができた、とコメント。例えば、地震発生時などに懸念される橋梁部やのり面の損傷がどの程度まで上空から確認できるか、ヘリカメラのズーム機能も含み、把握できたという。
いっぽうで、伝送された映像を本社内だけでなく、社内の関係支社や事務所に共有するための通信環境の整備や、映像を記録として保存するためのシステム改善などを認識した。
NEXCO西日本は今回の取組みを踏まえ、今後も中部方面隊との連携を深め、有事の際には復旧資機材の確保や復旧など、迅速な対応を図るという。