アウディ(Audi)は12月22日、EVとプラグインハイブリッド車(PHEV)向けの新たな充電サービス「Audi charging service」を2023年1月1日、欧州27か国で開始すると発表した。
◆最大出力350kwで急速充電が可能
このサービスでは、800以上の充電ポイントオペレーター(CPO)によって運営される約40万の充電ポイントを利用することが可能。この中には、幹線道路沿いに設置される最大出力350kwで急速充電が可能な「IONITY(アイオニティ)」の約1900台のハイパワー充電器(HPC)が含まれている。
IONITYは、アウディとポルシェを傘下に置くフォルクスワーゲングループ、BMWグループ、フォードモーター、ヒョンデ、メルセデスベンツなどの大手自動車メーカーが参加する合弁会社だ。アウディのドライバーは、ヨーロッパのどこにいても、便利で確実に充電することができるという。
新しい充電サービスを可能にするために、アウディはフォルクスワーゲングループの充電子会社とそのブランド「Elli」と協力する。アウディの充電サービスは4年前、アウディ初のEVの発売に合わせて開始された。今後、3つの料金プランを選択できる新しいサービスに切り替えられる。
◆割安な料金で充電可能
料金プラン「pro」は主に、頻繁に充電するドライバーを対象にしている。ドイツ本国における月額基本料金は14.99ユーロ。ドライバーは交流(AC)充電ステーションで、1kWhあたり45セントで充電することができる。さらに、プランproは、IONITY急速充電ステーションで充電する場合、標準的な料金と比較して、安価な金額が設定されている。現在、ドイツのハイパワー充電は、1kWhあたり35セント。これはドイツの急速充電ステーションの一般的な価格と比べて、安価という。
アウディのEVとPHEVを購入した顧客は誰でも、初日から特別料金で充電することができる。さらにアウディは、プランproの最初の1年間の基本料金を負担する。しかし、基本料金を含めた場合でも、1か月に35kWhの充電をすることにより、他の2つの料金プランよりも割安に充電できるようになる。これは、IONITY充電器による1回分の平均充電量に相当する。
外出先で、たまに充電するだけのドライバーは、月額7.99ユーロの基本料金で、プラン「plus」を利用することができる。このオプションでは、ACとDC充電ステーションにおける手頃な価格の料金が設定され、DC充電ステーションで1か月に48kWhの充電をすることで、「basic」プランよりも割安になる。料金プランbasicには基本料金がかからない。単価は高くなるものの、この料金プランでも、欧州全土の充電ネットワークへのアクセスが可能。他の料金プランと同様に、充電に関連するすべての便利な機能が利用できる。料金プランbasicは、毎月決まった量の充電を行う必要がないため、普段は自宅の充電器を利用し、外出先でたまに充電するドライバーに適しているという。
ドイツ以外の国で充電する場合には、各国の設定価格が適用される。これにより、ドイツ国外に旅行する場合でも、充電コストを事前に把握することが可能になるという。
◆充電ステーションでは「プラグ&チャージ」が利用可能
アウディの充電サービスの便利な機能のひとつは、「MMI(マルチメディアインターフェイス)」とアプリの両方で、ナビゲーションシステムのルートプランに、利用可能な充電ポイントが表示される点だ。アプリを使用して事前にルートプランを作成した場合は、そのプランを車両に送信することができる。さらに、付属の「RFID(非接触)カード」や「myAudi」アプリを介して、充電ステーションを起動して、充電プロセスを開始することができる。
一方、すでにIONITYや「Aral Pulse」の充電ステーションで利用可能な「プラグ&チャージ」機能は、今後より多くのプロバイダーから提供される予定。ドライバーは、車両でこの機能を起動した後、充電ケーブルを挿入するだけで、充電ステーションと車両は暗号化された接続を介して通信する。課金プロセスは自動的に開始され、クレジットカードなど、myAudiアプリに登録されている支払い方法を通じて請求が行われる。プラグ&チャージ機能は、市場導入後まもなく、新しいアウディの充電ネットワークで利用できるようになる予定だ。
また、myAudiアプリを使用する場合のメリットもさらに向上する。例えば、将来的には、車両のオーナーは契約条件を完全に管理できるようになり、数回クリックするだけで他の料金プランに変更できるようになる。このアプリは、選択した充電ステーションの料金を表示し、ほぼすべての充電プロセスの明細も表示することが可能、としている。