テクトムとアークエルテクノロジーズ(AAKEL)は12月21日、EVスマート充電サービスに関する業務提携を発表、同時に、EVのリアルタイム情報をダイレクトにクラウド格納し、EVフリートマネジメントを最適化するシステムを開発したと発表した。
日本政府は、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロ=カーボンニュートラルを実現するグリーン成長戦略し、そのための取り組みの一つとして、電動車の普及を推進している。電動車導入後の運用において、EVスマート充電を最適化するためにEVのSoC(State of charge、充電状態)やGPSなどのリアルタイム情報が必要になる。
現状、企業などが複数のEVを所有し充電する際、「どのEVのSoCが一番減っているか」「どのEVから順番に充電すべきか」などの管理を最適化するためには、EVのSoCやGPSなどのリアルタイム情報の取得が必須となる。
そうした課題の解決に向け、AAKELとテクトムは業務提携し、EVのリアルタイム情報をダイレクトにクラウド格納し、EVフリートマネジメントが可能なシステムを開発した。国内外の対象EVの拡大を図る。
AAKELは「デジタルイノベーションで脱炭素化社会を実現する」を企業目的に掲げ、気候変動問題の解決とビジネスとの両立をめざし、事業を展開している。2022年には、アジア太平洋地域のサステナビリティに取り組む民間・独立系企業のリスト「APAC Cleantech 25」に、日本では唯一の企業として選出された。
テクトムは、自動車からの情報取得と収集を目的とする、データ解析とデバイス開発の技術を30年以上培ってきた。テクトムが供給する車載機は、自動車の挙動やセンサー情報を送信するコネクティッドカーのデバイスとして、国内外で多数採用されている。テクトムは現在、これまでの実績を活かし、EVフリートマネージメントに不可欠な、EV情報収集デバイスを開発している。新型EV車両へ迅速に対応し、幅広い車種への対応を可能としている。
テクトムの富田直樹代表取締役は「今後の進展が予想される自動運転との相性が良いEVは、日本国内はもちろん、世界中で成長段階に入っている。AAKELとの業務提携により、両者のコアコンピタンスを活かしたサービスを創造していく」とコメント。
アークエルテクノロジーズの宮脇良二代表取締役CEOは「EVの導入は加速させなければならない。社用車や商用車、公用車のEV普及に向けては、充電量や位置などの情報をリアルタイムで取得し、適切な車両管理が重要だ。テクトムと業務提携することで、EVのリアルタイム情報を取得して、EVスマート充電の数理最適化のインプットとする仕組みを開発した」と述べる。