国土交通省は、送迎バスの置き去り防止を支援する安全装置の装備が義務付けとなることを受けて、適正な装置の開発促進・普及拡大に向けて性能要件を定めたガイドラインを策定した。
今年9月に静岡県で送迎用バスに置き去りにされた女児が死亡する事件が発生したのを受けて設置した対策を検討する関係府省会議で、「送迎用バスの安全装置の設置の義務化」と、それを踏まえた「安全装置の仕様に関するガイドラインの作成」を含む緊急対策が決定された。
国土交通省は、学識経験者などを委員とするワーキンググループを設置し、送迎バスの運用実態や装置の開発状況を踏まえ、ヒューマンエラーを補完する装置として「降車時確認式」、「自動検知式」の2種類の装置について、最低限満たすべき要件をガイドラインとしてまとめた。
●降車時確認式
それによると「降車時確認式」の装置の作動に関して、エンジン停止後、運転者に車内確認を促す車内向けの警報を発することや、運転者が置き去りにされたこどもがいないか確認しながら車内を移動し、車両後部の装置を操作することで、警報を解除できることとする。車内の確認と装置の操作が行われないまま一定時間が経過すると、更に車外向けの警報を発する。
●自動検知式装置
自動検知式装置の作動については、エンジン停止から一定時間後、カメラなどのセンサーにより車内の検知を開始する。置き去りにされたこどもを検知した場合、車外向けの警報を発する。
また、両方式に共通の要件として、運転者が車内の確認を怠った場合、速やかに車内へ警報し、15分以内に車外へ警報を発する。自動検知式では15分以内にセンサーの作動を開始する。こどもがいたずらできない位置に警報を停止する装置を設置することや、マイナス30~65度への耐温性、耐震性、防水・防塵性などの耐久性を確保する。装置が故障・電源喪失した場合、運転者に対してアラームで故障を通知するなど。