2003年のピークより減少傾向にあった自動車の盗難事件が近年、再び増加している。個人向けカーリースサービス「おトクにマイカー 定額カルモくん」を提供するナイルは、自家用車を所有する1963人の男女を対象に自動車盗難に対する意識や対策に関する調査を行った。
今年の10月18日から22日にかけインターネット上で行われた調査によれば、回答者の内、実に5割強が自動車盗難に「不安を感じる」と回答しており、危機意識が高まっているように思われる。昨今、各種メディアで頻繫に盗難事件が報じられていることも関係していると考えられる。
しかし、今回の調査で「不安を感じる」と回答した者の内、何らかの対策をとっていると回答した者は4割に満たないことが分かった。盗難対策グッズは安価な物もあるが、高い対策効果を求めると10万円を超えるモノも少なくない。費用の問題に加えて、厳重な対策がかえって日用の使い勝手を損ねてしまうことも、対策が進まない背景にあると思われる。
では、次に対策をとっていると答えた39.5%の人が行っている対策を見てみよう。回答の内、最も割合が多いのが「アラーム・警報装置」で全体の27.7%、それに「ドライブレコーダー(15.0%)」、「ハンドルロック・タイヤロック(13.4%)」、「イモビライザー(8.3%)」 、「リレーアタック対策(5.9%)」、「防犯カメラ(5.1%)」「GPS(4.7%)」、「車庫に入れる(3.2%)」と続く形になっている。(「その他(16.6%)」)
アラーム装置が最も一般的に用いられている他、ドライブレコーダーの振動感知機能を利用する方法や、ホイールをチェーンで固定するといった対策をとっているという声があった。他方、リレーアタック(所有者のスマートキーから発する電波を中継してクルマロックを解除する方法)の対策として缶の中に鍵を入れておくといった対策をとる人もいた。
これらの中で、ナイルは、イモビライザー(通称イモビ)の有効性を説明している。イモビライザーは、電子キーによる認証を用いた盗難防止システムである。これにより、犯人に合鍵を用意された場合でも、エンジンをスタートさせ、乗り逃げされることを防ぐことができる。
自動車盗難の沈静化を祈るばかりだが、件数の増加のみならず、盗難手口の進歩も著しいという現実がある。所有者はクルマの仕組みを理解し、適切な対策を選択することが愛車を守る上で重要となるだろう。