芝浦工業大学は、卒業生であり全日本ダットサン会会長の佐々木徳治郎氏より、ダットサン『16型セダン』(1937年)の寄贈を受け、9月21日より豊洲キャンパス本部棟1階にて一般公開を開始する。
ダットサン16型セダンは、2011年に日本自動車殿堂歴史遺産車に選定されたダットサン『12型フェートン』をさらに熟成、改良し1937年5月に発表したもの。発売当時の価格は2100円。当時は公務員の初任給が75円、喫茶店のコーヒーは一杯10銭、山手線初乗り運賃は5銭だったことから極めて高価なモデルだったと言える。ダットサン16型にはセダン以外にも、クーペ、フェートン、ロードスターのほか、トラック(16T)が用意され、当時の小型乗用車市場を席巻していた。
今回、ただ展示するだけでなく、動けるクルマを増やし、後世に残していきたいという佐々木徳治郎氏の思いから、動態展示を行う。かつて小型乗用車の代名詞ともされたダットサンは、ガソリン車の基礎の基礎ともいえる構造をしており、理工学を学ぶ学生が機械遺産を肌で感じられる展示となる。