GR86&BRZレースのプロフェショナルクラス。国内でもレベルの高いレースが行われているなかで、メカニックがドライバーとしてプロクラスに初挑戦した。
トヨタGAZOOレーシングGR86/BRZ CUP第2戦SUGOが、宮城県のスポーツランドSUGOで開催された。クラブマンクラスの決勝は36台が出走、プロフェッショナルクラスの決勝は37台が出走する人気のレースとなっている。
スバル『BRZ』で唯一プロクラスに参戦しているRECAROレーシングチームのメカニックが、ドライバーとしてプロクラスに初めて挑戦した。
チーム代表であるレカロレーシングの前口氏によれば、「メカニックがレースに参戦することによってドライバーの気持ちもわかり、車両のセットアップやドライバーが求めている物がわかるようになるはず」と意図を話す。
それを受けて今回挑戦した荒木謙一郎メカニックは、普段はレカロレーシングの佐々木孝太選手のメカニックを担当しており、佐々木選手のメンテナンスを行いながら自分の車両もメンテナンスを行っていた。練習走行を終えたあとに予選に向けて話を聞くと「レース経験も全然無く、いきなりプロフェッショナルクラスは、とにかく他のみなさんに迷惑をかけないようにしたい」と語っていた。
プロフェッショナルクラスの予選の時だけ大雨に見舞われ、「タイヤもグリップせず、とにかく氷の上を走っているような感覚だったし、他のドライバーのアタックを邪魔しないようにしていたが、スピンをしてしまい迷惑をかけてしまった。セッションが終わってすぐにお詫びに行きました」と振り返った。
決勝ではピットレーンスタートとなり最後尾からのスタートとなった。「おそらくラップダウンにはならないだろうと思いましたが、とにかく後ろばかり気になって走っていました。しかし、メカニックとして今までドライバーのコメントを受けて、マシンのセットアップやタイヤの内圧などを考えて送り出していましたが、今回は自分で考えたセットアップで自分が走っていろいろ確認することができて、正解の部分もあったしもう少し攻められる部分もあった。そういうことを身を持って体験できたことは非常に重要なことでした」と13周の決勝を振り返った。
「またレースに出たいかと聞かれれば遠慮したい部分もあるが、誰にも迷惑をかけずに走りきるという目標は達成できなかったので悔しさはある。なので次に出られるチャンスがあるのならば、迷惑をかけずに目一杯チャレンジしたい」とチャレンジ意欲は湧いているようだ。
さらに「プロクラスで走るドライバーはほんの少しの変化でも感じられるものすごいセンサーを持っているし、経験も豊富なので自分が同じ走りをできるわけは絶対にないが、今まで以上にドライバーが語る車の調子をより理解できるようになったと思うので、次戦以降に必ず役立つと思う」と語る。