『マツダロードスターの30年』編者:MZ Racing著者:三浦正人発行:三樹書房定価:本体価格3800円(消費税除き)ISBN978-4-89522-723-01989年9月、ユーノス『ロードスター』が発売された。それから30年、いまでもマツダ『ロードスター』はライトウエイトスポーツカーとして販売し続け多くのファンを獲得している。本書はロードスター開発初期から30周年記念車までの軌跡をたどるものである。その開発は1989年より遡ること11年前の1978年、マツダ『RX-7』(初代)発表の際にアメリカのジャーナリストが次のマツダが作るクルマについて発した一言が、そのきっかけの一つになった。それは、「価格の安いスポーツカー」だったという。そのジャーナリストこそがのちにユーノスロードスターを生み出す一人、ボブ・ホールだった。彼はその後チョークボードミーティング(黒板を使って絵を描きながら行うミーティング)で、LWS(ライトウエイトスポーツカー)とは何かを説明した。そういったことから請われてマツダノースアメリカのR&D部門マツダリサーチセンターアメリカに入社し、商品企画部門においてLWSの商品化を進めることになったのだ。本書はこのように開発のきっかけ、そして、歴代モデルの特徴が語られるのだが、大きなポイントは、スペックや技術的な解説が少ないことだ。では何に多くのページが割かれているかというと、商品企画やデザイナーなどの開発者をはじめとした関係者たちだ。そのコメントやインタビューなどを通じてロードスターの魅力が語られている。また、世代ごとの解説のほか、その時々のコンセプトモデルやバリエーション、そしてモータースポーツ活動などの詳細が語られていることも興味深い。