広島市南区、マツダ体育館の真ん前にある食堂「有宝」は地元の人が口々においしいと教えてくれた店だ。タミヤグランプリの広島大会が開催されるというので、マツダ体育館を訪れたところ。運営スタッフや、タミヤの関係者まで、前のラーメンはうまいと言うので、お邪魔することにした。カウンターと小さなテーブルがあるだけの小さなお店。店の扉を開けると、すでに大会運営スタッフの人も食事をしていた。国道から少し奥まっているにもかかわらず、そのほかにも来客があり、店内は混み合っている。店の看板でもおススメと出ているのでとりあえずラーメンを注文。しばらく待つと、シンプルながらいい香りのラーメンが供される。醤油味の博多とんこつラーメン。成り立ちを簡単に言えばそんな雰囲気だが、変な臭みもなく、やさしい味わい。チャーシューなども丁寧に仕込まれている感じ。擦った白ごまが載るがこれがまたいいアクセントになっていた。くどさもなく、他にも目移りするほどの魅力的なメニューの数々が用意されているこちらのメニューから、何か頼んだ後で食べても食べられるのではないか。そんなやさしさのある味のするラーメンだった。府中大川を挟んだ両岸はマツダの敷地。目の前のマツダ体育館では、今回のタミヤグランプリばかりではなく、6月のオープンデーなど、外部に開かれたイベントも少なくない。そんな機会に訪れた人の間でもここの評判が広まっているようだ。「お父ちゃんは昔マツダにいて、そのあとはここで40年間小さいお店をやってます。皆さんに来ていただけるのはありがたいですね」とおかみさん。なるほど、今でも入り口の近くにコスモスポーツのミニカーが飾られていた。
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