カーオーディオでは、「サウンドチューニング機能」が大活躍する。今回から新たにスタートする当コーナーでは、これについてのすべてを、1つ1つ順を追って解説していく。まずは、中心的機能の1つである「イコライザー」について考察していく。最初に、「イコライザー」とはどのような機能であるのかから解説していこう。さて。「イコライザー」と聞くと、「音色を変更する機能」だとイメージする方が多いかもしれない。これは間違いではないのだが、言葉の意味から考えると、本来の機能は別にある。「イコライズ」という英語には、「等しくする」とか「一様にする」という意味がある。つまり音響機器においての「イコライザー」にも、「等しくする」とか「一様にする」といった役割があるのだ。何と何とを「等しくする」のかと言うと、“もともとの音”と“出音”。もしもなんらかの原因で音源に収録されていた音が変わってしまった場合、それを元の状態と同じようにしたいのだ。または、「周波数特性をフラットにする」といった役割もある。歪んでしまった特性を、平らに(一様に)したいのである。「音色を変更する」という意味合いとはむしろ真逆、というわけなのだ。ちなみにホームオーディオでは、詳細な「イコライザー機能」が使われることはあまりない。しかしながら、カーオーディオにおいては(特にハイエンド・カーオーディオにおいては)、なぜに「イコライザー」がなくてはならない機能の1つとなっているのだろうか…。それはつまり、「車室内では、周波数特性が乱れがちだから」に他ならない。ではなぜ車室内では周波数特性が乱れがちになるのかというと…。その最たる理由は、「車内が狭い空間だから」である。ステレオ再生を聴く場合、そこがある程度広い空間であれば、主にスピーカーから放たれる“直接音”を聴くことになる。しかしリスニングルームが車内のように狭い空間であると、“直接音”よりも“反射音”のほうが多く耳に入ってくる。この“反射音”が、くせ者なのである。今回はここまでとさせていただく。次回には、“反射音”がどのようにクセ者なのかについて解説していく。お楽しみに。