群馬県伊勢崎市で8月5日、夏の風物詩「いせさきまつり」が始まり、県内外から集まった9台のスバル『360』がオープニングパレードを行った。いせさきまつりは伊勢崎市を代表する恒例のお祭り。山車と屋台巡行、勇壮な大人みこし、微笑ましい子供みこしが運行するほか、大綱引き、民踊流しや大抽選会など様々なイベントが行われ、会場となる本町通り周辺は多くの人でにぎわう。伊勢崎は、日本のモータリゼーションに大きな足跡を残したスバル360の生まれ故郷でもある。現在の伊勢崎ショッピングモールにあった富士重工の旧伊勢崎製作所第2工場で、後に”てんとう虫”の愛称で親しまれる軽自動車が開発され、初期の生産も行われた(その後県内の太田本工場に移管)。今は当時の工場東側のレンガ壁の一部が記念として残されている。そうした縁から昨年、伊勢崎商工会議所からの呼びかけで「スバル360オーナーズクラブ」や「全日本てんとう虫の会」を始めとしたオーナーたちが祭りに参加することとなり、20台に上るてんとう虫によるオープニングパレードが実現。その可愛らしくも壮観な走行を再びということで、今年も同様のパレードが行われることになった。今年は10台がエントリー。うち1台は来れなかったが、県内以外にも遠方からみんな自走してきた。1958年製造という、初期のヘッドライトが飛び出した”デメキン”のオーナーは千葉県から参加。「やはり伊勢崎に来るのは特別な思い。ほかのオーナーたちも同じだと思う」と感慨深げ。1968年製の後期型で愛知県から走ってきたオーナーは「途中の渋滞でエンストしたりしてヒヤヒヤしたが、なんとか来れて良かった」と目を細めた。コースは、市中心部の本町通り約1km。車齢50年を超える”老体”には厳しい暑さではあったが、パレードの途中に給水所が置かれるなど、主催者側の気遣いもあり、全車が”完走”。まだまだ現役で走るその姿に、沿道では「懐かしい」「かわいい」などといった声が上がっていた。