ポータブル型ナビの頂点へ…新型『ゴリラ』、渾身のナビ能力とは | CAR CARE PLUS

ポータブル型ナビの頂点へ…新型『ゴリラ』、渾身のナビ能力とは

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2017年6月中旬より発売された新型『ゴリラ』の最上位モデルCN-G1100VD
  • 2017年6月中旬より発売された新型『ゴリラ』の最上位モデルCN-G1100VD
  • トンネル内を走行しても安定して測位を継続。常に自車位置を見失わないのが心強い
  • 都心に多いビル街の谷間でも「Gロケーション」によって安定走行を実現している
  • GPS衛星だけでなく、それを補完する「みちびき」や、ロシアの衛星「グロナス」のトリプル衛星受信を実現
  • Gジャイロやトリプル衛星受信に加え、新CPUを使った「Gロケーション」で高精度測位を実現した。写真は「Gロケーション」起動中のアイコン
  • 探したい施設名が正確でなくても対象施設の候補をリストアップする「あいまい検索」に対応
  • 絞り込み機能も充実しているので、対象が多くても効率よく絞り込める。大規模施設なら駐車場の出入り口情報も収録
  • 目的地を設定した後のルート探索に要する時間はごくわずか。シミュレーションで事前にルートを確認することも可能だ
ポータブル型ナビとして唯一の存在となったパナソニック『ゴリラ』がモデルチェンジし、6月中旬より発売された。

ポータブル型としては唯一無二の高精度ぶりを発揮し、地図データ無料更新にも対応するなど、魅力的なスペックを備えた最上位機種「CN-G1100VD」で最新『ゴリラ』の実力を検証した。

◆ポータブル型ナビで孤軍奮闘する『ゴリラ』

ポータブル型ナビの『ゴリラ』と言えば、多くの人が「ああ、知ってる。クルマのダッシュボードの上に載せて使うナビのことでしょ」と答えてくる。それほど『ゴリラ』の名はカーナビ界では広く知られている。その人気にあやかって、一時はライバルメーカーも含め多くの製品が世の中に登場したが、スマートフォンが登場すると状況は一変。次々とポータブル型ナビはカーナビ界から撤退し、気がつけば『ゴリラ』が孤軍奮闘する状況となってしまった。

では、どうして『ゴリラ』だけが生き残れたのか。それは台頭するスマートフォンには真似ができない優れたスペックを実現しつつ、それを代を重ねるごとに熟成させて来た実績が評価されているからに他ならない。

その実績の一つが冒頭にも触れている優れた測位能力だ。ポータブル型ナビは基本的に測位をGPSに頼るが、これはアドオン装着をより手軽に行えるようにしているためだ。しかし、この状態ではビル街や高架道下などでは衛星からの電波が受信しにくくなり、トンネル内に入れば測位すらできなくなってしまう。こうした状況に陥ればもはやナビとは言えない。

実はスマートフォンのカーナビ用アプリもGPSによる測位を基本としている。言い換えれば、GPSだけに測位を頼っている限り、ポータブル型ナビもスマートフォンと能力は大差ない。画面サイズこそスマートフォンよりも大きいとしても、このタイプのカーナビには能力面で不安が残るということ。早々と撤退してしまったポータブル型ナビの多くは、測位をGPSだけに頼っていた機種だったのも頷ける話ではある。

◆こだわり続けた測位精度はスマホとの違いを見せつけた

そうした中で『ゴリラ』はこの測位能力にこだわることで、ライバルとは決定的な違いを示してきた。早い段階から自律航法を可能にする加速度センサーを内蔵し、それを「Gジャイロ」へと進化させた上でトリプル衛星受信を実現。GPSに加えて、日本の準天頂衛星「みちびき」と、ロシアの衛星「グロナス」の受信も可能にすることで、より安定した測位を可能としたのだ。

これで十分だろう、と誰もが思うに違いない。『ゴリラ』の開発陣はこれに満足しなかった。安穏としていたら、日々進化しているスマートフォンに追いつかれてしまう。そんな危機感が開発陣にあったのか、新型『ゴリラ』ではGジャイロ用のCPUを採用した「Gロケーション」を搭載。「Gジャイロ」からの情報を新CPUで最適処理した上で衛星信号と合わせてメインCPUで新アルゴリズムにより処理を行う。この新システムにより特に都市部での測位で圧倒的な強みを発揮することとなった。

測位は、取得した情報をリアルタイムで更新することが重要で、そのためにも専用CPUの追加は精度アップに大きな貢献を果たすことになったわけだ。

これでスマートフォントの差は歴然。試しに都心のビル街やトンネル内を走行してみたが、自車位置のズレは皆無。従来は少し長めのトンネルを抜けた後、衛星による補正によって自車マークがスキップする現象も見られたものだが、この機種でそんなことは一切なかった。もはやその安定ぶりはインダッシュ型ナビと遜色ないレベルになったと言っていい。

◆ポータブル型ナビとして初めて「VICS WIDE」に対応

CN-G1100VDの画面サイズは7V型とダッシュボードの上に置いても十分に見やすいサイズ。画面上に表示される操作スイッチも押しやすく、その反応もサクサクとして目的地設定もスムーズに行える。目的地を設定した後のルート探索もアッという間に結果を示す。この操作感は画面が小さいスマートフォンでは味わえない感覚だ。また、アンドロイドユーザーなら、スマートフォンにインストールした「おでかけナビサポート ここいこ♪」を使って、「るるぶDATA」「ぐるなび」「Yahoo!JAPAN」のスポットを『ゴリラ』の目的地として反映できるのも大きな魅力となる。

この画面サイズはルート案内中のわかりやすさでも圧倒的なメリットを発揮する。分岐点での拡大図は周囲の状況を的確に伝えてくれるし、車線ガイドにしても次の交差点までの情報を表示する。初めて都会の道路を走っても『ゴリラ』がしっかりとサポートしてくれるのだ。また、ルート探索にはさらに新しい設定として「道幅優先」という条件がが追加されたことも見逃せない。これにより、運転に不慣れな人や大きめのクルマに乗っている人でも安心してガイドが受けられるようになっているのだ。

カーナビにとって交通情報への対応も極めて重要だ。CN-G1100VDは、FM-VICSの進化版「VICS WIDE」にポータブル型ナビとして唯一対応を果たしている。この機能最大のメリットは、FM-VICSであるにも関わらず渋滞を考慮した「スイテルート案内」に対応していることだ。これにより、刻々と変化する交通情報を受信し、新旧ルートの距離や時間を比較してルートを選択することも可能となっている。

しかも、一般道(一部高速道路)においては、タクシーによって収集したリアルタイムのプローブ情報と、統計プローブ情報(過去の渋滞情報を基にした情報)にも対応済み。2017年現在は東京都内のみが対象エリアだが、今後は順次対応エリアは広がっていく予定になっている。予測が難しい交通状況の変化にもここまできめ細かく対応できるポータブル型ナビはこのCN-G1100VDだけ。現状ではスマートフォンのナビアプリでも一部が対応しているのみだ。この部分でも本機の優位性は明らかだ。

◆2020年9月末日まで年6回の地図更新。地図はいつも新しい

ただ、地図データの新鮮度となると、さすがの『ゴリラ』もスマートフォンに一歩及ばない。スマートフォンは常に通信でサーバーとつながっているため、常に最新地図が利用できるからだ。かといって、『ゴリラ』の地図データが古いままなのかと言えばそうではない。最大3年間にわたって最新地図データに無料で更新できるサービスがCN-G1100VDには付いており、このサービスを利用すれば、地図データは常に最新でいられるのだ。

ここ数年は首都圏を中心に新規開通する道路が多く、特に東京オリンピック/パラリンピックが開催される2020年までは道路の整備がいっそう加速する予定。CN-G1100VDで最新地図が提供される期間も2020年9月末日までとなっており、そのタイミングにぴったりマッチする。更新頻度は年6回。もちろん、更新されるのは首都圏だけでなく、全国の主要道路もカバー。変化が激しいと予想される道路事情に心強い対応と言えるだろう。

新型『ゴリラ』を使ってみた感想は、もはやポータブル型とは思えないほどナビとしての実力が高くなっていたということ。郊外なら何とか使えるけど、ビルが建て込んでいる都市部では使えなくなるスマートフォンとは信頼性がまるで違う。新型『ゴリラ』は、安心してルートガイドを任せられるポータブル型ナビとして、さらなる進化を遂げたのだ。
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【パナソニック新型『ゴリラ』】ポータブル型ナビの頂点へ・・新型『ゴリラ』が身につけた渾身のナビ能力とは

《会田肇》

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