ベトナムの街を、六本木を行く豪華リムジンのような客室空間で行く。しかもすべてがオンラインでつながって……。WILLER と、ベトナムの Mai Linh 社は、7月18日から「ベトナムの行きたいところに自由に行けて、みんなでリビングにいるような感じで楽しめるジェニックビークル」を共同で運行を始める。ウィラーが車両とIoT化されたサービスを開発・運営し、Mai Linh 社が運行を担う。両社が走らせるジェニックビークルには、想定外のハプニングやアクシデント、言葉が通じないもどかしさ、がっかりさせられた味……といったアジア圏のひとり旅でよく遭遇するシーンはない。まず車内が豪華。車内には、リクライニング可能なビジネスクラスのシートに、冷蔵庫や大型モニター、金庫、収納テーブルなどが備わる。ベース車両はフォード『トランジット』で、定員7名(前から2+2+3)。エグゼクティブとプレミアムの2クラスが用意される。オンラインコンシェルジュサービスでは、「ねえねえ、おススメのごはん屋さんを教えて」と車内から聞くと、WILLERのユニフォームを着た女性がモニターに登場し、GPSによる現在位置や時間などのデータから、最も「いまキテるレストラン」を紹介・予約してくれるという具合。「もう紙のガイドブックなどは要らない」と都内発表会(6月12日)で担当者は話していた。現地の人たちと同じ格好をして、ある意味「一か八か」で入る食堂の時間はそこにはない。このクルマのコンセプトにあるとおり、InstagramやFacebookといったSNSでつながることが前提だからだ。「自分たちが絵になるジェニックな写真を SNS にアップすることを目的としたトラベラーが増えている。その SNS を見てそこに行きたいとか、自分もそんな旅行をしたいというトラベラーの思いを『ジェニック旅』と名付けてウィラーは提案」そんな旅の値段は、プレミアム4時間コースが8800円から、8時間コースが1万1800円から。エグゼクティブ4時間コースが9800円から、8時間コースが1万2800円から。発表会のなかで、「SNSをまったくやらないぼくなんか、ターゲットに入らないんだろうね」と担当者に聞いたら、「そんなことはないけど、こうした新しい旅を体験するためにも、SNS を始めればいいんじゃない」と返ってきた。