人とくるまのテクノロジー展は、自動車関連の部品メーカーの晴れ舞台でもあり、各社が力の入った展示をしている。このところADAS(運転支援)領域で存在感を発揮している日立オートモティブシステムズも、同社の幅広いラインナップを取り揃えて展示している。現在市販されている乗用車のADAS機能は、自動運転のレベルでいうとレベル2にあたるもので、日立オートモティブシステムズは、この自動運転レベル2を実現する各種センサー類やカメラ、画像処理、ECUと、それにつながる車両統合制御ユニット、さらにグループ会社であるクラリオンで 統合HMIをカバーしており、守備範囲の広さが目立つ。近年、カーITやADASの高度化・複雑化に伴い、搭載されるデバイスやチップ、ソフトウェアが増え続けている。自動車メーカーだけで、これらすべてをカバーすることは難しいため、大手Tier1(一次受け部品メーカー)が守備範囲を広げ、メガサプライヤーと呼ばれるようになっている。国内でも同様の動きがあり、日立オートモティブシステムズも、グループ会社であるクラリオンとの連携を深めてきており、統合的なソリューションを提供している。担当者によると、「なかでも、センサーフュージョン(各種センサー、カメラなどのデータを組み合わせて統合的に処理することで高度なセンシングを実現すること)、C2X、地図データを統合処理することができる高性能な自動運転ECUが特徴です」とアピールする。また、スバルのアイサイトに搭載されていることで知られる同社のステレオカメラは、「大幅に小型化しました」という新しいステレオカメラが展示されている。さらにコネクティッド領域としても、「OTA(On The Airアップデート)に対応するTCU(テレマティクスコミュニケーションユニット)や、C2X(Car To X・車車間通信や路車間通信のこと)通信ユニットも提供可能です」とのことだ。ちなみにC2Xの通信規格は「セルラーでもDSRCでも、自動車メーカーの要望に応じて対応します」とのこと。人とくるまのテクノロジー展は、5月24日から3日間の予定で、横浜みなとみらいのパシフィコ横浜で開催中だ。